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窓際の席に座り、いつものように外を眺める。
あー、今日もいい天気だなぁ。もうそろそろ5月になるし、あったかくなりだして今日なんか昼寝に最適なんだろうなぁ。屋上行こっかなぁ〜。
……行こ。
次、日本史だし、サボっても大丈夫だよな。ささっ、春眠暁を覚えず……ってね!
軽い足取りで屋上へ向かうため教室を出た。屋上への扉の近くまで来て、周りに見張りがいないことを確認する。誰もいないことを確認してから、首から鍵を外して扉の鍵穴に鍵を差し込んだ。
その瞬間、後ろから両腕を拘束された。
「なっ!?」
「騒ぐなっ」
なになになになに!?
「早くこれで眠らせてよっ」
誰っ!?
後ろから聞こえたその声の指示通り、すぐに俺の顔に布が当てられた。
「ん゙ん゙ん〜!? ……うぅ……」
俺は意識を失った。
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