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「あぁっ、あ……っ」
「幸ちゃん、幸ちゃん……!」
僕の顔を見て、頭を撫でながら、抜き挿しを繰り返す太一。
「あ、あぁ、はぁん……!」
「俺、今……幸ちゃんを抱いてんだよね……?」
「うん、……太一。太一っ」
「幸ちゃんっ、もっと……名前、呼んでっ」
僕を力いっぱい抱きしめて、尚も腰を揺さぶる太一。
「あっ、あぁ……っ! た、いちっ。太一! ……たい、ちぃぁあっ」
「幸ちゃん……好き、好きっ」
「あぁぁぁああ……っ!」
「う……っ」
僕がイって、太一も僕のナカに吐き出すのを感じて、気を失った。
僕が気が付いた時には、浴室にいた。
「……う……んっ」
「あ、起きた? 失神するなんて、初めての時以来だね」
「あ……んんっ」
僕はシャワーをあてられて、ナカに残ったものを掻き出されている最中だった。
「ちょっと我慢して。中の、全部出すから」
「お前……生でヤるのなんか初めてだな」
「もう、俺のだもん。セフレじゃない。だからマーキング」
「……マーキング……?」
「まぁ、すぐに掻き出される運命だけどね。もう生でなんかしないよ。身体に良くないし。……はい、おしまい」
太一はシャワーの湯を止めて、僕を抱いたまま立ち上がった。僕は気だるくて全体重を太一に預けていた。
太一に身体を拭いてもらって、服も着せてもらった。僕には大きい太一の服。
また抱き上げられて、ベッドまで運ばれた。太一はまだ足も拭いていないのに。歩く度に濡れるフローリングのことなんて気にしてないみたいだ。
「はい、もう寝ていいよ。のどは乾いてない?」
「平気。ありがと、太一」
「なんかあったらすぐ言ってね?」
僕の頬に軽くキスをして、太一は寝室を出て行こうとする。
「……太一、どこ行くの?」
「あぁ、そろそろ門限だから。寮閉めてくる。すぐ帰ってくるから」
「うん、行ってらっしゃい」
「行ってきます」
そうか。もう閉寮の時間か。
懐かしいな。圭吾と、銀次と毎日のように寮から抜け出していた頃が。
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