09




 夏休みでも生徒会役員は文化祭の準備とか、なんだかんだで仕事が多く、実家に帰れる日は限られている。俺は時間があっても帰らねーけど。
 この日も俺は生徒会室で仕事三昧。文化祭の予算案を作成していた。俺がパソコンに向かい、データを打ち込んでいると圭吾が声を掛けてきた。


「銀次」

「……なに?」

「知らないだろうから言っておくが、成瀬がここに来るのは夏休み期間だけ日曜になってるぞ」

「そ……なんだ。え、夏休みだけ……?」

「あぁ。夏休みの前日に連絡が入ってな」

「前日……?」


 じゃあ俺が行ったあの日は、ここにナルチャンいたってこと……?


「あぁ。お前、最近様子がおかしいからな。もしかしたら金曜に待ってて会えないせいかと思って言っただけだ。その様子じゃあ知らなかったみたいだな」

「知らなかった……夏休みの間だけだったなんて」

「まぁ、明日来れば会えるだろう。お前が大人しいのなんて似合わないんだよ、バカ銀次」

「……サンキュ」


- 33 -



[*前] | [次#]
[戻る]


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -