08
次の週は、期末テストのせいでナルチャンに会いに行けなかった。その次の週の金曜2時間目。俺は生徒会室の前に来ていた。
俺が来るって分かってるこの時間に、ナルチャンが来てくれてるとは思わない。
けど、足が向いた。2人きりで会って、あの日のことを……謝りたい。もしも今ここにナルチャンがいてくれたら、俺にそのチャンスをやろうとしてくれてんだって思ってもいい?
ドアノブを掴んで、回した。
でも、開けられない。
……怖い。誰もいない生徒会室を見るのが怖い。
だけどもう、今日しかないんだ。来週の金曜にはもう夏休みに入ってる。今日しかないんだよ……。
「……ナルチャン」
やっぱり無理だ……。
いねーよ、絶対。今はまだ……それを確かめたくない。
結局、俺はナルチャンと会えないまま、夏休みに入ってしまった。
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