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「じゃあぼくけんちゃんにチューしよ〜」


 そう言って賢二の顔に自分の顔を近付けた光。


「ちょっ、光様!」

「チビ! まてまて! そういう好きじゃねーんだ! まだ早い! お前にはまだ早いぞー!!」


 賢二と俺は必死で光を止めた。
 小2で恋愛なんざ、まだまだ早いってな! そう思うだろ?


「そういうすきってなに〜?」

「つまりだな……チューをするのは一番好きな奴にだけでだな……一番好きな奴同士でするもんなんだよ」

「一番すき?」

「そう。誰にもとられたくねぇ、自分だけがソイツの中にいてぇって思う奴だ」


 ナルチャン、早く俺のもんになってくんねーかなー? もう1年もアピールしまくってんのにさ。全然なびかねー。この時みたいに無理矢理キスすんので精一杯なんだよな。


「そーちゃん!」

「……宗? がどうしたんだ?」

「ぼくそーちゃんのこと、一番すき!」

「……は?」

「本当なんだよ、銀さん。光様は兄さんのことが好きなんだ」

「え、え? マジで!?」


 驚きだよなー。天使が悪魔に恋しちゃったーみたいな? てか歳の差! 10歳違うからね! 完全に犯罪じゃん。
 まーおもしろいから教えてやったのよ。恋愛の極意ってヤツをさ。はーい、1年かけてもナルチャンを落とせない奴が何言ってんのとか言わなーい。


「チビ、いいこと教えてやらぁ」

「いいことっ?」

「宗の部屋に泊まって、夜寝る前に言ってみな? 『チューして?』ってな」

「ねる前に?」

「あぁ、その前に一緒に風呂に入るのもいいな。それでだな、宗とチューしたら、宗はお前のもんだ」

「ぼくのもの?」

「チューは好きなもん同士でやるもんだからな」

「じゃあ銀ちゃんとナルチャン先生ってすきなもの同士なんだね〜!」

「…………あ、はは……チビ〜? そのこと誰にも言うなよ?」

「うんっ!」


 子供の素直さは……本当、残酷だよな……。


「銀さん、ごめん……俺も誰にも言わないから」


 賢二の大人な対応も……以下同文……。


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