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 管理棟4階の生徒会室にある仮眠室。俺は生徒会顧問の成瀬文也先生をベッドに押し倒していた。


「っ……寺門っ!」

「銀次。……銀次って呼んでよ。ナルチャン」


 正直、興奮してた。力付くで仮眠室に無理矢理連れ込んで、押さえ付けて、キスをした。


「バ……っ! ……んんっ、はっやめ、ろ!」

「もう止まんねぇよ……っ」

 ……と、盛り上がりまくっていた所でいきなり仮眠室のドアが開けられた。


「あ〜っ! 銀ちゃん、ナルチャン先生と遊んでズルイんだぁ〜!」

「うわぁぁ!」

「……チビッ!? おまっ、なんでここに!」


 あれは4月の中頃のことだったなー……。
 いつものようにナルチャンに会いに生徒会室行ったら、なんか1人で盛って、思わず仮眠室に引きずり込んで盛っちゃった訳よ。

 あ、ナルチャンってのは、生徒会顧問の先生。成瀬文也先生ね。
 あれ? ナルチャンの話からした方がいいのかな?

 まぁいいや。とにかく、仮眠室のベッドに押し倒して、……あ、まだ何もやってなかったよ! キスしてただけ。
 それが救いだったよなー。小学生に見せちゃあマズイでしょ。

 んでまぁ、まだヤってはいなかったけども、キスは見られたわけだ。


「……ごめん、銀さん」


 本当に申し訳なさそうに謝った賢二とは対照的に、光はすっかり興味津々の様子だった。


「ねぇ〜? 何して遊んでたの〜? ぼくもまぜて〜」


 これからナニしてしまおうと思ってたところにこの質問。子供の無知と素直さってのは時に残酷だよねぇ。賢二の大人な対応も……なんか、嫌だったけど……。


「えーっと……チビ? 俺らは遊んでた訳じゃなくてな?」

「寺門っ! お前は鍵も閉めねぇであんなこと! 俺は知らん! 帰る! ちゃんとフォローしとけよ」


 ベッドの上で放心状態になっていたナルチャンが、やっと自分を取り戻して生徒会室から出て行った。
 ナルチャンは照れ屋さんだからさ。落とすのも大変なんだよなー。こういう意地っ張りで素直じゃねぇとこがまたかわいいんだけどさー。
 あぁ、ナルチャンの話はまたあとで。


「あれぇ? 帰っちゃった〜」

「本当にごめん、銀さん。俺ら邪魔しちゃって」

「いいっていいって。いつもこんなもんだから」

「銀ちゃん、なにしてたの〜?」

「まだ聞く!? そこ! ……いや、まぁなんだ……チューだな。俺はチューをしてました」


 半ばやけくそになって答えたよ、俺。


「チュ〜?」

「そうだ。チューってのはな好きな子にするもんで……俺はお前が好きだぞーっていうアレだ!」


 そう! そういうアレだ!


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