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そんなやりとりの中、圭吾様が時計を見て告げた。
「もう2時か。少し遅いが昼食にしよう。打ち合わせはそのあとだな」
「ルームサービスを頼みましょうか?」
生徒会役員にのみ許された特権の1つが無料のルームサービス。生徒会室で仕事があるため、食堂に行かなくとも食事をとることができる。
「……食堂……行きたい……」
「あ、カード使いたいんだねっ! ひーちゃん」
「うん……」
「まだスイーツを食うのか……。まぁいい、行くぞ」
悠仁と共に生徒会室から出ていく圭吾様。銀次のことを忘れておられるな。いや、あの人のことだ。わざとかもしれない。
一応銀次にメールを入れておいてやろうと携帯を開くと1通メールが来ていた。メールを見ると、題名には『ひかるだよ』と書かれてある。私は慌てて本文を読んだ。
『そーちゃんへ。ぼくケータイかってもらったの。けんちゃんにそーちゃんにメール送れるようにしてもらったんだよ。まだつかいかた分からないけど、ぼくとメールいっぱいしてね。明日からぼくも学校に行けるからそーちゃんに会えるよ。またあそびに行かせてね。ひかるより。』
……ひらがなばかりで可愛い。改行の仕方が分からないのだろう。分からないながら一生懸命メール作成してくれたんだと思うと嬉しさが込み上げて来る。
『メールありがとうございます。すぐにお返事ができなくてごめんなさい。いつでもメールしてくださいね。次からはすぐにお返事します。明日から2年生ですね。こまった事があれば、賢二に言うんですよ。そして、わたしにも言ってください。お兄さんに会いたくなったら、メールしてください。光さまの所までむかえにいきます。』
よし。これでいい。最後は少しずるい言い方だったかな。私に会いたくなったら……などと言える訳がないが。
ちゃんと光様のアドレス、登録しておこう。光様のメールが来た途端、ただの携帯を宝物のように感じてしまう。
「ねぇ宗ちゃんってば! さっきから携帯見ながらニヤニヤして何なの〜? 僕たちも早く食堂行こうよっ」
「あ、あぁ悪い。そうだな」
そうだ、銀次にメール送るつもりで……。
「悠仁ー! 買ってきたぞ! アイス10個! ……って、あれ?」
銀次が息を切らして生徒会室に戻ってきた。
「もういないぞ。さぁ私達も食堂へ行こう」
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