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「お、うまいな」

「そう? よかった」


 サトシが作ったのは肉じゃがと味噌汁と酢の物。それに炊飯器で炊いたメシ。久々に食べる家庭の味になんだかホッとする俺。


「味噌汁もうめーし、最高だな、おい」

「隆さん、親父くさいよ」

「うっせ。お前が作ったメシのせいだ」

「和食、好きでしょ?」


 知ってるよ、とでもいうようなサトシの口振り。


「あん? なんで知ってんだ?」

「え? あ、なんか、そんな気がした」

「ふーん? まぁ、和洋中で言えば断然、和だけどよ」


 俺の言葉に微笑むサトシ。なんだか、懐かしいものを見るような目で俺を見てくる。


「なんだよ?」

「なんでもない」


 釈然としなかったが、俺はそんなことはすぐに忘れて、メシに夢中になった。

 それからもサトシが俺を懐かしむような目で見ることが、度々あった。
 俺は、その度になんだか切ないような、寂しいような思いを抱いている自分が不思議だった。


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