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「最初はそうなるよね。俺もびっくりしたもん。なんか男同士の恋愛にすごい興味があるらしくてさ。だから、ここに雪田を連れて来たんだよ」

「え! な、何で俺なんすか!?」


 まさか俺が男が好きだって……いや、竹下さんが好きだって、バレてる……?


「前に小野さんと来たんだけどさ。あ、何も知らずにだよ? そしたら小野さんと俺の関係を聞かれてね。小野さんがバカ正直に『俺とこいつはカップルじゃない。この組み合わせはありえない』とか言っちゃって」


 その時のことを思い出して笑う竹下さんの言葉を継いで、女性の店員さんが説明を続けてくれた。


「そんな風に言われたら、じゃあ誰とカップルなの? って言いたくなっちゃうじゃない。そしたらまた小野くんが『俺は三木で、こいつはユキ。それが正しい組み合わせだ』とかって言う訳」

「で、俺は雪田と、小野さんは三木さんと一緒に来たらサービスするって話になったんだよ」

「へ、へー……?」


 えーっと、つまり……竹下さんは俺とそういう風に組み合わされても嫌じゃない……ってこと? 期待しすぎ?


「サービスって言ってもウーロン茶だけどね。おかわり何杯してくれてもいいから。まあ2人が成人してたらお酒出してもいいんだけど、竹下くんが19で、ユキちゃんは18でしょ?」

「あ、俺も19っす。って言っても未成年は未成年っすけど」

「雪田もう19になってんの?」

「はい。先週誕生日きたんで」

「先週? っていつ?」

「あら、大事なお話っぽいから、私はもう戻るね! 注文決まったら声かけてねー」


 なぜ急に。別に大事な話じゃないけど。
 仕事もあるだろうし、あえて引き止めはしないけれど、釈然としなかった。


「誕生日は8月21日っす。夏休み中なんで、今まであんまり友達にも覚えてもらえなくて悲しいんすけど」


 まあ毎年、那央が祝ってくれるし、絶対に休みだし、悪いことばっかりじゃないけれど。


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