11-3
三木さんが何とも言えない表情をしている。俺に引いているのか、雪田を憐れんでいるのか……とにかく、良い顔ではない。
「……ぶっちゃけすぎじゃね?」
「本心ですから」
「竹下、これだけは言っとくぞ。小野さんを見習うのはやめとけ。小野さんみたいに……なんて言ってたら、ユキに嫌われるぞ。小野さんの絡みは相当うざいからな」
「え。でもさっき三木さんは嫌じゃないって言いましたよね?」
「だからそれは……俺は小野さんのことが好きだし、小野さんの隣は居心地が良いと思ってるから、嫌じゃないだけだ。そんな俺でもたまにガチでぶん殴りてぇ衝動に駆られるからな。絶対に何一つとして見習うなよ」
俺の思った通りだとしたら、三木さんと小野さんは所謂、両思いというやつなんだろうか。ということは、2人は付き合ってるのか?
羨ましい。羨ましい。羨ましい。
俺も、雪田と特別な関係になりたい。
「三木さん。好きって、どういう『好き』ですか?」
「おい。そこは流しとくとこだろ。聞くか普通……なんつーか、お前が思ってる通りだよ」
「友情じゃないやつ」
「まーな」
「……俺、最近よく考えるんです。これって伝えていいもんじゃねーよなって。でも、伝わって欲しいし、受け入れて欲しいし、同じ『好き』を返して欲しい。こう考えんのって普通ですよね?」
「まあ、普通じゃね?」
「三木さんと小野さんは、そういう関係なんですか?」
どうすればなれる?
どうすれば、雪田は俺を好きになってくれるんだ?
- 43 -
[*前] | [次#]
[戻る]