ここから出て行きたいか?




 ……お、怒ったって俺めげへんもーん! 全然怖ないしー! ちょ、ちょっと怖い顔したくらいでビビる俺ちゃうんやからなー!


「お、怒ってる……?」


 はい、ごめんなさい。嘘です! 怖いです! ていうか、嫌われたくないという意味でも恐いです!


「……ちょお黙っとけ」

「はい」


 めっちゃ怒ってるー!! ああ、嫌や……なぜ俺はお膝抱っこなどをされているのかしら。ていうか結城め、ガッツリ抱き締めやがって逃げる余地すらないやんけ。あーこわいこわいこわいこわいこわいよー!!

 そして、しばらくの沈黙を耐え抜いた俺に追い打ちがかかる。俺の肩に頭を乗せとる状態の結城が盛大に溜め息を吐いた。正直ビクッとしました。はい。


「……花月」

「はいっ」

「……ここにおるんはそんなに嫌か?」

「は!? 嫌ちゃうよ! 何でそんなん言うん? 俺は……」


 おーっと? これは言うてもええんか? 言うぞ俺は。顔見えてへんし言うてまうぞ。


「お、俺は、結城とおりたい!」


 言ったったー! 言うたったぞー! 半分告白ちゃうんかこれ! やべー! むっちゃドキドキする!!


「うわっ!? ……え?」


 押し倒されてる俺!? いつの間にこうなった! そして結城のドアップ! 心臓もたんから顔逸らしますね。いやもうまじこんなんあかんてテンパるてあかんあかんドキドキしすぎて死ぬ!


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