やっぱこりゃしんどいわ




 再び会長の部屋に戻った俺達。銀さんと幸ちゃん先輩は眠そうにしている。


「1日で成果がある訳はない。今夜も見張るぞ」

「これが毎日続くのはさすがに辛ぇーな」


 さっそく弱音を吐く銀さん。幸ちゃん先輩も同様だ。


「僕もそう思うっ」

「じゃあ1日交代にしようよ。見張りは1人ずつでやって、あとの2人は仮眠しながら待機っていうのはどう?」

「それでいいじゃん。そうしようぜ?」

「……いいだろう。見張る者たちは昨日同様携帯を繋げておいて、乗り込む際はパートナーに必ず報告。報告を受けた側は急いで向かいながら待機組のどちらかに援護を要請しろ。それを受けたらもう1人に連絡し、早急に2人で向かうように」

「言ってたイヤホンは?」

「夜までには用意する。今夜は俺と幸介で見張る。幸介、いいな?」

「いいよん」


 その会話を聞きながら考えていた。
 BBを潰しに行くのは土曜日。今日は木曜だから……、あと2日で現れてくれないと困るなー。BBの視察も行かねぇとだし……どうしよう?


「俺と銀さんは部屋で連絡を待てばいいんだよな? 張り込みは昨日と一緒で10時から?」

「あぁ」

「今日、俺に外出許可くれる? 外に用事があるんだ。10時までに戻る」

「あぁ。本来は外出届の提出が決まりなんだが、まぁいい。太一に話を通しておく」

「サンキュ。あと3人とも俺の携帯番号登録しておいて。090XXXXXXXXだから」

「え、ちょい待ち! もっかい」


 聞いていなかったらしい銀さんが慌ててポケットから携帯を取り出している。


「俺が登録した。あとで俺から言う」

「じゃあ、俺帰んね」


 会長って何でもそつなくこなす奴だなーと思った。何を考えるにも早いし、伝える時は的確に簡潔にって感じだしさ。さすがは御曹司ってか?
 銀さんと幸ちゃん先輩に軽く挨拶して会長の部屋から出た。エレベーターに乗って自室に戻る。

 とにかく今夜10時までにここに戻ればいいんだから、早めにBBの視察を終わらせよう。……リンっていう証明代わりにタロも連れていくべきかな。また無断でバイク拝借するわけにもいかねーし。


- 93 -



[*前] | [次#]
[戻る]


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -