思春期のはなし




「あのよー、さっきの話だけど……」


 ちょっと言い出しにくそうな銀さん。その様子で『さっきの話』が何なのか大体検討が付く。


「性欲の?」

「おう、まぁ。お前さ、性欲を自覚したことねーって言っただろ? どういう意味?」

「どういう……って言われてもな」

「お前、ゲイじゃねーよな?」

「うん、たぶんね」


 女性に恋愛感情というものを抱いたことがないから分からないけども。男にも抱いたことがないんだから、ゲイではない。だろ?
 そもそも恋愛感情ってなんなんだ。恋愛の好きってなんだよ。


「じゃあさ、女の裸見ても何とも思わねーのか?」

「見たことねーし」

「さっきエロ本見てたじゃねーか」

「表紙だけね! 会長も聞いてるかもなのに変な言い方すんなよ」

「あ、圭吾も聞いてんの?」

『圭ちゃんは馬鹿馬鹿しいってさ。今は僕が電話係さんなの。僕もリンちゃんの思春期のお悩み聞くからね。お兄さん達に任せなさいっ』

「電話持ってんの幸ちゃん先輩だった」

「幸介ならいーや」


 何がいいんだ、何が。
 まぁ、俺もこんな話を聞かれるなら、会長よりかは幸ちゃん先輩の方がマシと言えばマシだけど。


「単刀直入に聞くけどよ、お前、勃起したことない、とか?」


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