×パパママ ○オトンオカン
タケさんが作った絶品の焼おにぎりを食べながら、久々のタケさんとの会話を楽しむ。タロは黙々とつくねを食べている。その横顔が可愛い。
「タケさん。俺マジでタケさんに会いにこの店来ようと何回思ったか分かんないよ!」
「なんやねん、思うだけやなくて来いや! 繭子もリンに会いたいてずっと言うとったんやぞ?」
タケさんは俺と談笑しながら、手際よく注文の品を作っていく。
それを宴会に参加しながら手伝うのは、呑んだらえぇやんで社員として働いているメンバーの徹也や、バイトをしている彰人や秀。
「そういや今日、繭ちゃんは?」
「繭子は今病院や。1週間ほど前から入院しとんねん」
「なんで!! どっか悪いの!?」
「ちゃうちゃう。もうすぐ子供生まれんねん。まぁ確かにあんまよぉないから入院しとんやろけども、心配せんで大丈夫や」
「そうだよ! 繭ちゃん妊娠してたんだった! ねぇ、男の子? 女の子? どっち?」
「男か女かは聞いてへんねん。それは生まれてからのお楽しみや!」
「タケさんと繭ちゃんは俺のパパとママ的存在だから、弟か妹ができるんだなー!」
「パパママて、ハズイわ! オトンオカンて言え。お前、弟でも妹でも可愛がったってくれや?」
「当たり前じゃん! ねぇ、名前は? 考えてる?」
「繭子は画数やなんや言うて考えとるみたいやけど、やっぱりそれも生まれてからやな。顔見てからやないと決められんわ」
「楽しみだなー! 女の子だったらさー将来俺のお嫁さんになってもらおっかな」
「えっ!!」
いきなり大きな声を出すタロ。大好物のつくねをポロッと手から落とした。
「なんだよタロ」
「リンには俺のお嫁さんになってもらいたいのに」
「アホか。俺がお前の嫁になんかなるかよ。お前は俺のペットだろ?」
「うんっ! それでもいい! リンとずっと一緒にいられるなら」
可愛いワンコをワシャワシャと撫でていると、ようやくカズがやって来た。
「おっ! やっと来たか、カズ! もうみんな揃てんぞ!」
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