カズが嫌がられた理由?
「サンキュ!」
すでにカズに発信された状態で受け取った携帯を耳にあてて相手がでるのを待つ。
「……でねぇーなぁ」
十数度目のコールが鳴ったとき、ついに相手が出た。
『もしもし〜?』
「カズ! 俺だ、リンだよ」
『リン!? ほんにリンかや!?』
「お前、俺を探すために学校やめたらしいなー。悪い」
『そぎゃんこたぁええ! そ〜でお前どげしたや?』
「んー? えーっと……俺は今、宝生学園にいるよ? タロと一緒」
カズの言っていることがあまり理解できない俺は適当に返す。
『あだーん、そげだったか』
「編入したんだ。すれ違いになっちまったな」
『ほんなら俺も……』
「戻って来いよ」
『そがしょう! 銭さえあらどげなとなー。待っちょれ! さいならー!』
一方的に電話が切れた。
「カズなんて?」
「……んー? ……たぶんここに戻ってくるんだと思う」
「ふーん。言ってること分かんなかったんだ?」
「うん、まぁ」
「また会った時に話せばいーよ。直接ならまだ分かるし?」
「だな!」
「今夜にでも溜まり場行こうよ? リンが来るならみんなすぐ集まるよ」
「んー……、じゃ行くっか!」
今日も見回りするつもりだったけど……ま、1日くらいいいよな。
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