オーダー!




 この寮の面積が気になってくる。ロビーもかなりの広さだったし、コンビニと言われた店も外にあるようなコンビニの超大型店舗って勢いだというのに、更にロビーより広い食堂。
 なんなんだこの学園は。すごすぎて最早アホだ。アホの領域だ。
 真っ白なクロスがかけられた4人掛けの四角いテーブルが、いくつもくっつけて並べてられている。
 ロビーとは違い、豪華という印象はない。むしろ、机や椅子の材質は違えど、一般的ないわゆる『食堂』というものに近い。


「今はまだ入寮してる生徒が少ないから人があまりいないけど、大体いつも朝夕6時から8時くらいはすごく混むからね。席は全校生徒分あるんだけど、料理が出てくるのが遅くなるかな」

「分かりました」


 寮長は食堂に入って右手にある、中二階を指さして言った。


「あの中二階のスペースはね、生徒会用のフロア。だから絶対に上がっちゃダメだよ」

「そんなのまであるんですか……」

「役員が来るとすごい騒ぎになるからね。一緒には食べられないと思う。生徒会専用フロアの真下にあるテーブルはオススメだよ。まぁ、ちょーっと天井は低くなってるけど、役員が見えなくて人気のない席なんだ。基本的にあそこには誰も座らないから快適だよ」

「あ、じゃあ俺そこに座ります」

「うん。じゃあオーダーの仕方の説明するから、ついでに昼ごはん食べちゃおう」

「はい!」


 生徒会役員専用の特別フロアがある真下に座る。寮長が親切にオーダーの仕方まで教えてくれた。

 要は、テーブルに備え付けのタッチパネルでメニューとそれぞれの量を選択し、クレジットカード代わりのカードキーを通すということらしい。

 和洋中どんなニーズにも応える豊富なバリエーションに加え、少食な生徒から大食漢までをカバーする量の選択肢。さらに、タッチパネルは勉強やゲームまでできちゃう優れもの。オーダーを済ませれば、わざわざウエイターが運んで来てくれるサービス力。朝の5時〜夜の9時まで営業しており、なんとお昼休みには校舎特別棟にある食堂まで解放されるとか。

 アホじゃね? 確実に。
 学費と寮費はおいくらですか。仕事じゃなければ僕はこんなアホが群生する学園に通いたくありません。
 ワガママな奴らばっかなんだろうなー。金持ちで、甘やかされて、……ゲイで。


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