想えば想うほど




 レオンの細っこい身体を仮眠用のソファベッドに押し倒す。今は、リンとかいうのに一番近い姿なんやろか。金髪で、黒い瞳。茶色い眉毛、黒い睫毛……作り物のレオンや。

 ……『ツクリモノノ』……。


「……抵抗、せーへんのか」

「翔太、本当に俺のこと好きなのか?」

「好きや。もう何年も。お前がおるから、俺は……」


 何でも、我慢できる。お前のためやと思ったら、俺は頑張れんねん。お前を守れる力が欲しくて、お前を庇える地位を得たい。
 そのために俺は、何人の人間を地獄に堕としてきたやろう。それも全部、レオンのために……そう思えば耐えられた。何もかも、生まれた時からの運命やった。この生き方しか無い。逃げられへんねや。

 でもな、お前が現れた。お前っていう意味を持てた。この気持ちは、ただの依存なんやろか。お前という逃げ道を、手放したくないだけなんやろか。


「お前が、俺を大事に思ってくれてるのは分かってる。俺だって一緒だ。お前がいてくれたから、今の俺がある」


 お前という支えがあったから、俺は生きて来られたんや。


「お前は、かけがえのない存在だよ。ならこれは……恋愛感情なのか?」

「……もし。もし俺が『そうや』って言えば……、お前は俺に抱かれるか?」

「…………」

「俺は、お前を離したない。お前を俺だけのもんにしたい。何でも屋もさせたない。2人で、普通に……働いて、暮らして……っ」

「翔太……」

「お前を求めれば求める程! ……お前を、諦めるべきやと気付かされるんや。俺は……お前を……」


 幸せにすることはできへんねや。


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