最強男 番外編 | ナノ


▼ バースディ記念日

ちゅっと音をたて離れる唇を目で追う。

濡れた唇が誘っていた。


「仁……」
名前を呼べば、キスだけで煽られた潤んだ瞳をした仁と目が合った。

「千里……、あっ」
つんと立ち上がった小さな突起に歯をたてた。

「覚悟しろよ。今日は離さねぇよ、仁」
にやりと笑ってみせる。


今日は千里の誕生日。
「千里、何欲しい?」
それに、仁、と答えた。


「言えよ……、おめでとうってさ。くれるんだろ、仁をさ」
千里の首に腕を絡めてくる仁。耳元で仁の名を呼ぶ。

「仁……」
ふるりと身体を震わせる仁。耳は仁の性感帯の1つ。

「仁、愛してる」
耳元で囁くと、俺もと返ってきた。

「……誕生日、おめでと。千里」
仁の瞳に千里が映っていた。今、仁は千里しか見てない。

「サンキュ」
軽く口付ける。


仁の腕を仁の頭の上に縫い付ける。

「っ!」
首筋に顔を埋め、一点をきつく吸う。
仁の首に赤い痣が浮かんだ。

「前は付けなかったな。仁は肌白いからな、朱の色が映える」
ぺろりとキスマークを舐める。

「……キスして、千里」
「どこに……?」
「どこでも。俺、千里のだよ」
「どこで覚えてくる、そんな誘い文句を」

唇にキスする。千里は仁の舌を絡め、吸い上げる。

鼻にかかった甘い声を上げる仁。
そっと唇を離せば、
「全部、あげるから」
頬を真っ赤にさせて仁は言った。

「手、どけて。千里……。千里を抱きしめられないよ」
「かわいい事言うじゃねーか」
ベッドに縫い付けていた腕を退けると仁は自分の首にかかるネックレスを外して、千里の首に下げた。

「プレゼント、何がいいか考えたんだけど、いいの思いつかなくて」
「これ、お前の大事なものじゃねーの?」
ずっと身に付けていた、仁の唯一のアクセサリー。

「高校の時、作った」
それは仁の手作りのシルバーだった。

「一時期シルバーアクセにはまって、自分で作って気に入ったやつが、これ」

偶然にも千里が背負う虎の、アクセ。
その虎はこっちを向き、牙を見せ咆哮をあげていた。

「似合うよ、千里」
「最高に嬉しいプレゼントだ」
嬉しそうに仁は笑顔になる。


千里の誕生日、10月20日は2人の初めて濃厚に、1日を過ごす記念日にもなった。


071014

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