01
1/7

「美咲!」

「ん?」

「私、設楽先輩が好き!大好き!だから、」

「(嘘、ちょっと待て…!)」

「相手が美咲でも、設楽先輩は諦めない!」

「(…か、勝てる気しねええええ)」

まさかのバンビとvsモード、突入しました。

* * *

「あ、聖司せんぱ「設楽先輩!おはようございます!」」

「…あぁ、お前か」

おはよう。と少し微笑んで挨拶する聖司先輩とバンビを遠目から見て、やっぱりかと苦笑する。

「(あのバンビに張り合えるとか思ってねーよ)」

これは、本格的に聖司先輩を諦めるしかないかと小さくため息をつけば、彼がこちらを見ているのに気付き、一礼だけして教室へ向かった。

だから私は気付かなかった。

「…なんだよ、あいつ」

「設楽先輩?どうしたんですか?」

「…なんでもない」

悲しそうな顔をしつつ悪態をついていた先輩が、私の背中を見ていたことに。そして、その聖司先輩を悲しそうに見つめるバンビがいたことに。


   

  back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -