おまけ61/62
「ユウキさんを倒した後にチャンピオン登録してびっくりしたよ!なんでパパもママも、昔チャンピオンだったの言ってくれなかったの!?」
どうやらミクリさんは、ゲームの主人公にバトルで敗れていたようだ。
たしかに、数年前マグマ団とかアクア団が悪さしてた気がする。
…え?いつの間にかレックウザもホウエン地方に来てたの?見たかったなあ。
というか、そうであればダイゴさんは、ゲームの主人公とバトルで共闘していたのでは?
……私も主人公と共闘したかったのに。
「ちょっとママ!聞いてるの!?」
ステラの怒りの叫びに、ダイゴさんと顔を見合わせて苦笑する。
「だって、ねえ?」
「ああ。だって、」
「「面白そうだったから」」
「普段ラブラブなくらい仲良いって言っても、そこでハモらなくていいから!」
もう!とプンプン怒っているステラに近寄り、抱きしめる。
ダイゴさんは、私とステラごと抱きしめた。
「おかえりなさい、ステラ」
「おかえり、ステラ」
「「おめでとう、チャンピオンステラ」」
「頑張ったわね」
「ステラは、僕たちの自慢の子供だよ」
「…っ、ありがとおおお」
腕の中で泣きじゃくるステラの頭を撫で、ダイゴさんと顔を見合わせて微笑む。
「やっぱり、なっちゃいましたね。チャンピオン」
「なんたって、僕とエリシアの子供だからね」
笑い合って、2人でステラの頭を撫でる。
いきなりポケモンの世界に来て驚いたけれど、
この世界には、私の大切なものがたくさんできた。
私の世界を構成した最初のきっかけは、ダイゴさんと出会ったことだった。
ダイゴさんと出会って、婚約者になって、旅を始めて。
その旅で、意地でもダイゴさんに勝ちたくて、ちょっぴり無茶をしたときもあったけれど。
でも、それも全部含めて、今の私がある。
「私、これからもダイゴさんの隣にいたいなあ」
「当り前じゃないか。僕も、隣にいるのはエリシアじゃないと嫌だよ」
そう言って、優しく微笑むダイゴさんを、ずっと隣で見ていたい。
ずっと、この幸せな日々を、一緒に。
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