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暫くすると重厚な扉が開かれ、彼は現れた。
その彼に対して、仰々しく頭を下げる。
「お待ちしておりました、挑戦者。良いバトルをしましょう」
モンスターボールを1つ手に取ったところで、彼からストップが入る。
「待て待て!そもそもおかしいだろう!」
「…ミクリさん?」
名を呼ばれた彼、ミクリさんは、頭に怒りのマークを浮かべながら私に文句を言う。
「エリシアがダイゴからチャンピオンを譲り受けたときは、あいつ1人に勝つだけで良かったのに、なんで私は四天王を倒すところから始まるんだ!おかしいだろう!」
腕を組んでぷんぷんと怒っている彼に苦笑し、理由を話す。
「最初はバトル無しで交代しようと思ったんですが…。リーグの皆さんが賛成してくれなくて」
「なぜだ!相手はこの私だぞ!!」
「だってミクリさん…、」
最後にリーグに挑戦したの、何年も前なんでしょう?
リーグ本部から聞いた話をすれば、彼はうぐと口をつぐむ。
そして、諦めたようにため息を吐いた。
「…っ、わかった、わかったよ。大人しく普通の挑戦者として、エリシアにバトルを申し込もうじゃないか」
「納得してくれて安心しました。では、始めましょうか」
私はキュウコンを、
ミクリさんはホエルオーをフィールドに出す。
真剣な瞳のミクリさんを見て、これからどんなバトルが繰り広げられるのか楽しみで、ニヤリと口を歪める。
「さあ、はじめましょう!ホウエン地方のチャンピオンをかけて!!」
私を意地でも倒してください、ミクリさん。
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