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ダイゴさんとの結婚が決まり、日常を過ごしながらも結婚式や披露宴の準備を少しずつ進めていく。
ダイゴさんがリーグ本部に結婚することを報告すれば、リーグ本部は即座にテレビ局に情報を持っていった。
おかげで、ホウエン地方は私とダイゴさんの結婚話でもちきりである。
最初のテレビニュースでその話題が流れた瞬間、ポケナビにみんなから一斉に連絡が入った。
みんな一斉に電話をかけてきたから、繋がる人と繋がらない人がいるわけで。
電話で応対できる人には応対したが、3人だけは私の家に招待して事情を話した。
「もー!びっくりしたよー!」
カトレアと、
「友達には言ってくれても良かったんじゃなーい?エリシアちゃーん」
ヒナタと、
「というか、チャンピオンに勝ったって…、すごいよエリシアちゃん!!」
スミレだ。
「まぁ、非公式戦だったけどね。しかも接戦だったし」
苦笑してスミレの言葉を返し、カトレアとヒナタには謝罪をひとつ。
きゃあきゃあと、3人からダイゴさんのどこを好きになったのかだとか、馴れ初めはだとか、散々質問責めされたあと、4人で紅茶を飲んで一息つく。
「…でも、おめでと。エリシアが幸せなら、私も幸せだよ」
結婚式や披露宴は呼んでね。と嬉しそうに笑うカトレアに、もちろんだと頷く。
「3人は、私の大切な友達だもの。招待状送るから、是非来てね」
私の言葉に、3人は笑顔で頷いてくれる。
良い友達を持てて、私は幸せ者だ。
思えば、カイナシティでカトレアが私に話しかけてくれなければ、こうやって4人でテーブルを囲むこともなかったのだろう。
「カトレア、ありがとう」
「ん?どうしたの急に」
「…ううん。お礼が言いたくなっただけ」
私がそう言うと、なにそれー。と笑う彼女。
あなたと出会えて、私は最高にラッキーだったんだよ。
カイナシティで私に話しかけてくれて、ありがとう。
「ヒナタとスミレも、ありがとう」
「ちょっとなにー?どうしたの?」
「えへへ、なんだかよくわからないけど、私も、ありがとう」
「スミレまでー。…まぁ、私もありがと」
照れくさそうに笑うスミレに、ふいと顔を背けるヒナタ。
あの時カトレアに呼ばれて、カイナシティのコンテスト会場に来てくれなければ、2人と出会うこともなかったのだろう。
あなたたちと出会えて、私は幸せだ。
「ありがとうね、みんな」
私と友達になってくれて、ありがとう。
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