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「ご迷惑をおかけしました」

トキワジムを出てポケモンセンターに寄り、ホウエン地方へ戻る前にジムスタッフ全員にお礼を言えば、代表してグリーンが前に出る。

「まあ、勝てて良かったな。3か月の苦労が報われたぜ」

「いやもう、ほんとに。ありがとう、グリーン」


今回勝てたのは、間違いなく彼のおかげだ。
今度、何かお礼の品を送ろう。


「ありがとう、グリーン君。キミのおかげで、エリシアと結婚できるよ」

「大変でしたね、ダイゴさんも。…もう婚約者振り回すなよ」

最後にジト目で見られ、何度も首を縦に振る。

そんな私を見てダイゴさんは笑い、エアームドをボールから出して先に私を乗せた。

「じゃあグリーン君、今日のところはこれで帰るよ。また怪しい奴らの動きがあったら教えてくれ。いつでも力になるよ」

「ありがたいです。ありがとうございます」

敬語のグリーンなんて、そういえば初めて見るなあと感心していればダイゴさんは私の後ろに乗り込み、エアームドはホウエン地方を目指して大空へ羽ばたいた。


ダイゴさんに後ろから抱きしめられていると、先ほどのバトルで体力を使い果たしていた私はうとうとと睡魔が襲ってくる。
こっくりこっくりと、船を漕いでいる私に気付いた彼は笑い、頭を撫でながら、寝ても良いと言ってくれた。

「今日は疲れただろう。家に着いたら起こすから、寝てていいよ」

「……はい。ありがとうございます」

むにゃむにゃとお礼を言ったすぐ後、私は意識を飛ばした。







「…全く。こんなに女性に振り回されたのは初めてだよ。なあ、エアームド」

彼の言葉に一つ鳴いて答えたエアームドは、エリシアを起こさないようにといつもより速度を落とし、振動が少ないように空を飛び続けた。

 

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