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「ただいま」

もうすっかり夕飯の時間も過ぎた頃に家に辿り着けば、家中大騒ぎになった。

両親は私を抱きしめ頭を撫で、やれ大きくなった美人になったなどなど、私を褒めちぎる言葉ばかり。
それもひとしきり終われば、近くで見守っていたティアに近づく。

「ただいま、ティア。遅くなっちゃってごめんね」

「おかえりなさいませ、お嬢様」

最後に見た記憶の中のティアより、幾分も大人になった彼女に抱きつけば、ティアも私を抱きしめてくれる。

「ずっと、お帰りをお待ちしておりました」

「ありがとう。貴方なら待っててくれるって思ってたわ」

身体を離し、両親とティアに旅でのこと、ダイゴさんに負けたことを報告した。
話が進むにつれ私の成長が嬉しいのか涙ぐむ3人に笑い、暫くゆっくり休むことを伝えれば、大きく頷かれる。

「それがいいわ。頑張ったわね、エリシア」

「旅での経験は、お前にとって貴重な財産だ。大切にしなさい」

「お嬢様のお部屋、毎日かかさず清掃を行なっておりましたので、すぐに使えますよ」

それぞれ声をかけてくれる3人にお礼を言い、とりあえず自室で休むかとティアを連れて両親の部屋を出ようとし、言い忘れてたことを思い出す。

「今日ダイゴさんに改めてプロポーズされたけど、保留にしちゃった」

じゃあ、おやすみ。と部屋を出て歩いていれば、両親の部屋から絶叫が響いてきた。
隣にいるティアにはジト目で見られた後、理由を問われる。

「元々、ダイゴ様の旅が終われば、ご結婚なさる予定だったではありませんか」

「ダイゴさんを超えたら、プロポーズを受け入れるわ」

彼を超えたいのだと言えば、ティアは深いため息を吐き、「なんでこんな戦闘狂になったんですかね…」と遠い目で呟いた。

ちょっと、主人に向かって戦闘狂は失礼じゃない?

 

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