07

話を聞いていくうちに、どんどん険しい顔になっていった降谷零(仮)は、話し終わった後に、おもむろに携帯を取り出した。

「僕の番号を登録しておいてください。何かあれば、すぐに駆けつけます」

休みの日は、私の護衛もしてくれると言い出した。
私はそれに苦笑し、時々家まで私服で送ってくれるだけでいいと断った。

「私、ある喫茶店でアルバイトしてるんです。帰りが22時頃になることもあるので、おまわりさんの時間が合って私服で送ってくれれば、ストーカーが恋人と勘違いして向こうから来てくれるんじゃないかなって思うんですけど」

どうでしょう。と提案すると、少し考えて頷いてくれた。
その後に名前を聞かれたため答え、私も名前を伺ったが、どうやらあの降谷零本人で間違いないようだ。

「僕は降谷零。好きに呼んでください。今はあの交番で研修として勤務しています」

と言っていた。
もうこれ確実にあの降谷さんじゃないか。
原作よりも幼い印象を覚える。まぁ7年も前だから当然か。

「おまわりさんにも、研修ってあるんですね」

あと年下なので、普通に話してくださいと言えば、少し驚かれた。そんなに老けて見えるかな。

「落ち着いてるから、同じか1つ上ぐらいだと思ってた」

「素直に"老けてる"って言っていいんですよ降谷さん」

「いや、顔は年相応なんだが…。やっぱり、雰囲気のせいだな。研修って言っても、ちょっと普通の警察の研修とは違ってな」

将来は公安も夢じゃないぜと笑顔で話してくれた降谷さんに、私も嬉しくなる。

「超エリートコースですね。いつまであの交番にいるんですか?」

「さぁな。来月までかもしれないし、半年先までかもしれない」

どうやら、上の指示があるまであの交番に勤務らしい。
警察も大変だ。


そのまま2人で話し続け、いつの間にか辺りは薄暗くなり始めていた。

「もうそんな時間か…。送るよ、家はどこだ?」

「ありがとうございます」

2人で公園を出て、私の家まで案内する。
途中で、夜外出しなくていいようにコンビニに寄って、デザートやお菓子も買っておく。

「…緊張感が無さ過ぎだろ」

「夜に突発的にコンビニに行きたくなることってあるじゃないですか。今回はそれを未然に防いでいるだけですよ」

呆れたようにジト目で見てくる彼に、屁理屈で対抗しておく。


なんだかんだ言いつつ、彼は買い物に付き合ってくれた。






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