06

交番に行って、ばっさり切り捨てられてから1ヶ月。
もうストーカーが飽きるまでストーキングさせてあげようと、諦めて放置していた間に、更に行為がエスカレートした。

写真が入っていた封筒とは別のものに、白い液体がついた使用済みティッシュ(激しくいらない)。
1週間に1度届く段ボール箱。中身はペアのマグカップだったり、ネックレスだったり。
驚いたのは、昨日届いた段ボール箱に、私の下着(使用済み)が入っていたことだ。
たしかストーカーに気づく前、1度だけ鍵を閉め忘れていたことがあったから、その時に入ったのだろう。


私は大学入学と共に一人暮らしを始めた(らしい)。
だから家族に迷惑がかかるとかじゃないことは安心した。

だが、流石に無断で人の家に入るのはどうなんだ。
いや、許可があってもダメだが(ていうかそもそも許可出さない)。


自分の下着が汚されているのを見て流石に背筋が凍り、まだ子供たちが遊んでいる夕方頃、1人で公園のベンチに座っていた。

戸締りはしっかりしてきたとは言え、誰かが入ったとわかる家にいたくはない。
段ボール箱も持って改めて交番に行くかと悩んでいるところに、近くから声をかけられたからそちらを見る。


「…!」

「あの時のストーカー、どうなりましたか?」


なんと、声をかけてきたのは、交番にいた降谷零(仮)だった。
今は私服姿のところから、今日は休みなのだろう。

「…あの時交番にいた、おまわりさんですね」

ストーカーなら、エスカレートしてますよと笑って言えば、また悔しそうに顔を歪め、ある提案をした。


「貴方さえよければ、僕がプライベートでストーカーを捕まえます」


あんな交番に行っても、どうせまともに取り合ってくれない。と続けた降谷零(仮)に苦笑する。
民間人の目の前で警察官の悪口を言うのはどうなんだ。いや、私もそれは思ったが。

どうやら降谷零(仮)の意思は固いようで、何度か断ったが折れてはくれなかった。

「あの日から更にエスカレートしているだなんて聞いたら、ますます断られる訳にはいきません」

「…じゃあ、お願いします」

どこまでも正義感の強い人だ。

頷いた私に降谷零(仮)は笑顔になり、私の隣に座って状況を聞き出す。
聞かれた私は、素直に交番に行った日からのストーカーの行動を彼に説明した。





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