01

はっきりと言おう。
私は、いつの間にかトリップしていた。
いつものように大学へ行き、バイトに出勤して仕事をし、帰路につく。その途中に強い目眩がして道端に座り込んだ瞬間、まぶたの向こう側が明るくなった。まるで昼間のような。


昼間の、ような…。



「……どこだここ」

目眩も無くなり立ち上がって辺りを見回すも、見たことがない建物が立ち並ぶ。
急いで携帯を見ると、お母さん(ちゃんと私のお母さんの名前)からメッセージがきている。
内容は、ちゃんと大学をサボらずに行けとのこと。


なんだ、なにがどうなってる。


混乱する頭で携帯を操作し、お気に入りに入っていた大学のポータルサイトにアクセスして、大学名を探し出して携帯のマップを頼りに歩く。

歩いている途中で持ち物を確認すると、大学生らしい持ち物、と言えばいいのか。
ルーズリーフと何冊かの教科書、筆記用具、財布、ハンカチだった。


この世界はなんだ。
私はいまどうなってるんだ。


財布を漁ると学生証が見つかり、名前も年齢も私のもので間違いはなかった。
ただ違ったのは学校だけ。その学校は…



「…さっき気付かなかったけど、なんだ、これ」


学生証に記されていた学校名は、東都大学。


ちょっと待て。そんな名前の大学は周りに無かったし、聞いたこともないぞ。

保険証も手に取って見てみると、私の父の名前があり、その下に今住んでいるのであろう住所が記されてあった。


「米花町…」

そこまで見て、なんとなく理解する。
ここは、あの小さな名探偵がいる世界なのだと。
いや、今原作がどの辺りかわからない以上、彼が小さくなっているのかはわからないか。


とにかく

「…大学、行くか」

なぜこうなったのかはわからない。
本当にトリップなのかな。
でも学校は行かないと。学費払ってるっぽいし。


季節は夏。(携帯見たら8月だった)
もう諦めて、運命に流されようと決めた。

(緋色組とかキッドに会えるじゃんラッキーラッキー)





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