06
「…え?エリシアが?」
「えぇ。…あの子ったら、ジュードくんたちに何も言わなかったのね」
ごめんなさいね。とおばさんが申し訳なさそうに謝っていたが、あまり頭に入ってこなかった。
レイアも"知らない"って悲しそうにしてたし、言われなかったのは僕だけじゃなかったみたいだ。
「…エリシア、」
エリシアの家からの帰り道、頭の中で必死に考えた。
"どうすればエリシアの傍にいられるか"
昔からエリシアが傍にいた。
僕を守ってくれていた。
僕を支えてくれた。
「(…エリシアを追いかけよう)」
ちょうどイル・ファンには医学校がある。
僕が行きたいと思っていた学校だ。
でもそこに行くならエリシアと離れるからと躊躇していたが、そのエリシアがイル・ファンへ行ったのなら、逆に好都合じゃないか。
それなら僕は、
「父さん、母さん、」
僕、イル・ファンのタリム医学校に行きたい。
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