03
太陽が西に沈み始めた頃に、私は街へと戻ってきた。
今日もガルドと素材がたくさんである。
「あら、エリシアちゃん。いま帰り?」
ジュードくんの母親であるエリンさんに呼び止められ、彼女に向き直る。
「…え?」
エリンさんを見れば、彼女は小さな赤ん坊を抱いてこちらを見ていた。
慌てて詳しく聞けば、もうすぐ産まれて半年になるらしい。
「…お子さん、いたんですね」
呆気にとられながらも言葉を紡げば、エリンさんは嬉しそうに頷いた。
「そうなの。ジュードっていうのよ。今度、良かったらジュードに会いに来てね」
「…もう少し、ジュードくんが大きくなったら、友達になりに行きます」
じゃあ、それまで待ってるわね。とエリンさんは笑って病院の中へと戻って行った。
「…強くならなきゃ」
私は一人、決意を新たにして家へと急いだ。
「…は?ジュードくんが産まれた時にあんたに言ったじゃない。ロランドさんのとこも、レイアちゃんが産まれてるわよ」
家に帰って母さんにジュードくんのことを話せば、眉間にしわを寄せながら言われた。
まじか。
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