14
はじまりの日は、突然やってきた。
いつものように街の外で魔物と戦い、精霊術の精度を上げていると、突然イル・ファン全体から明かりが消えた。
「・・・はじまった」
それだけで、すべてを察した。
『エリシア、四大精霊がイル・ファンにいるよ!!』
『四大精霊は、20年前から召喚ができないのでは…っ』
「大丈夫。わかってるから」
慌てる2人を落ち着かせ、エントの力を借りてイル・ファン海停まで飛んだ。
そこはまだ人気があまりなく、何食わぬ顔で自然にア・ジュール行きの船のチケットを買って船に乗り込み、甲板に出て海停を眺める。
エントとセベクはそんな私を見て、顔を見合わせて首をかしげていた。
しばらくして船が出航した直後、海停で騒ぎが起きたと思ったら、突然空から人が降ってきた。それも3人。
「助かった」
肌の露出が異様に高い女性と、
「いいってことよ」
大剣を背負い首に高級そうなスカーフを巻いた男性。
そして・・・
「エリシア!?」
私が最も守るべき対象である、ジュード君。
彼らを見て、やはり間違っていなかったかと内心安堵する。
ついにはじまったのだ。
ゲーム本編が。
「こんばんは、ジュード君」
絶対にジュード君を、みんなを幸せにしてみせる。
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