08
私がシュルツ総合学校に通い始めて4年。
ジュード君が隣の部屋に住み始めた。
いま現在、私は16歳で、ジュード君は12歳だ。
4年ぶりに会ったジュード君は、あの頃よりも大きくなっていて、でも原作よりはまだ幼さが残っている。
ただし、服装はゲームで見慣れていた、あの服だった。
もしかしてそれはあれか。
ゲームのキャラ設定で、"基本の服装は、進学の際に店員に勧められたものを貯金をはたいて買った"と書いてあった、あの洋服か。
店員さんありがとう。
今死んでも悔いはない気がする。(気がするだけ)
今の私は、日本でいう高校生のような感じだ。
シュルツ総合学校は、いうなれば中高大一貫の学校で、通おうと思えば最大10年間通える。
もちろん、校舎はそれぞれ近い距離にあるけど棟が違う。
ただ日本の学校と違うところは、リーゼ・マクシアは義務教育が12歳で終了するため、それ以降の学校に進学すれば、全日制ではなく単位制になるところだ。
この4年間で、歴史も精霊術もたくさん勉強した。
けれど、原作開始までまだ時間はある。
あと2年。あと2年頑張ろう。
課題で出されているレポートを終わらせなければ。
あと私特製の原作に関する情報ノートも追記していかないと。
せっせと机に向かって書き殴っていれば、先日渡した合鍵でジュード君が家の鍵を開けて中へと入ってくるのがわかった。
一応、部屋は綺麗に保ってはいるが、何かしらお小言は言われるだろう。
「ちょっとエリシア!ご飯は食べたの?」
ほらきた。
「食事を作る時間も惜しい」
レポートをまとめつつ、教授に書いてくるよう指示された論文をまとめながら返事をすれば、ジュード君にため息を吐かれた。
そして彼は"いま作るから待ってて"と言い残してキッチンへ消えていった。
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