千慧瑠と春2 | ナノ



「わあ…月きれー…」
「…春ちゃんのが綺麗やけどね」
「えっ何か言った?」

 派手な花魁頭に挿した春の簪が、しゃらんと揺れる。千慧瑠の小さな呟きは聞き取られずに溶けたようだった。花のような甘い匂いに浸るふたりを、妖しく光る月が静かに見つめていた。




戻る



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -