「わあ…月きれー…」
「…春ちゃんのが綺麗やけどね」
「えっ何か言った?」
派手な花魁頭に挿した春の簪が、しゃらんと揺れる。千慧瑠の小さな呟きは聞き取られずに溶けたようだった。花のような甘い匂いに浸るふたりを、妖しく光る月が静かに見つめていた。
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