キリング・セオリー 01


 ある国の大貴族の子息はとんでもない愚か者だった。読んで字のごとく、馬鹿という表現がぴったりな少年は両親や一族の富と権威を周囲の人間に振りかざし、未来の侯爵家当主という立場に胡座をかいていた。ありのままに言えば、嫌味ったらしくわがままなお坊ちゃんである。

「なんで僕が行けないんだ!!」

 プライドだけは一丁前に高い傲慢な少年へと成長した彼は誰もが認める名門校、ナイトレイブンカレッジかロイヤルソードアカデミーに入学できると信じて疑わなかった。しかし、いくら待てども入学案内が来ることはなく、ついには入学式が目前に迫ったある日、かわいい一人息子が悲しむ姿に心を痛めた父親はこう言った。

「かわいい坊や。お父様がなんとかしてあげよう」

 けれども坊やは勉強が得意ではないだろう? 代わりの子どもを入学させて、お前の代わりに勉強させればいい。なあに、坊やは坊やなりに頑張ればいいんだよ。――あたかも名案を出したとばかりに微笑む父を泣き腫らした目で見上げた少年は瞳に溜まった涙をこぼしながら問うた。

「勉強しなくていいの?」
「ああ、いいとも」

 少年の父――侯爵家当主の兼ねてよりの望みは息子をなんとしてでも名門校に通わせ、優秀な成績で卒業させることだったが、如何せん我が子の頭の悪さはどんな家庭教師も匙を投げるほどで、信頼している執事から「……坊ちゃんには他に才能があるのかもしれませんな」とフォローまでされたときの侯爵の失望っぷりは言うまでもない。息子に教育を施すことを早々に諦めた侯爵はしかし、息子を名門校に送り出した立派な父になる夢≠どうしても諦めきれなかったのだ。その人生の大半を出来が良い兄と比べられてきた侯爵にとって、ロイヤルソードアカデミーを優秀な成績で卒業した兄を出し抜くことこそが本望であり悲願だった。息子を名門校に入学させれば、気取ったあいつの鼻を明かせる。そう信じて疑わなかった。そもそも、このあたりで名の知れている侯爵家の令息が程度の低い学校に入学するなど赤っ恥をかくに決まっている。息子と同様にプライドが高すぎた侯爵は自身の選択が間違っているとは微塵も考えず、あの手この手で策略を巡らせた。

「代わりは用意してあるから、気にしなくていいんだよ」

 息子に対して愛情はあれど関心はない。果たしてそれは我が子を愛していると言えるのか不明であるが、侯爵にとって血の繋がった息子は誰にも認めてもらえなかった過去の自分で、コンプレックスを和らげるための道具に過ぎなかった。

 ◇

 当時のツイステッドワンダーランドにおいて、多言語や多文化、多民族が幾重にも混ざり合い、生徒全員が等しく平等に生活するナイトレイブンカレッジはロイヤルソードアカデミーとともにグローバル教育の先駆けを担っていた。そんな学園であるからか、上流階級出身の生徒と一般家庭もしくは貧困層出身の生徒が一緒くたに在籍するナイトレイブンカレッジは血気盛んな生徒によるカツアゲが横行している。
 ポムフィオーレ寮のシンボルカラーのベストと腕章を身につけている少年――ナマエ・ミョウジは入学してから間もないにも関わらず、暗い表情で廊下を歩いていた。今の彼の姿を見れば、一国の大貴族の子息とは誰もが思いもしないだろう。否、貴族の息子だと知られているからこそ毎日のように呼び出されてカツアゲされているのだが、今の彼にとっては貴族だろうが貧乏人だろうがどうでもよかった。
 寮に戻れば恐ろしいルームメイトが待っている。その事実だけがナマエを震え上がらせ、表情を曇らせていた。寮に戻らなければならない休日と放課後ほど恐ろしいものはない。彼に叱られ、ポムフィオーレ寮生としての振る舞いがなんたるかを教え込まれる度に「こんなはずじゃなかった」と思ってしまう自分が悪いのかと、今日も上級生たちにボコボコにされたナマエは悩んでしまう。

〈顔面ポムフィオーレ〉

 入学一週間にして彼がつけられたあだ名はそれだ。顔からして所属寮がわかるからという安直な理由からつけられたあだ名であるが、自分の顔面で得をしたことがないナマエにとっては鬱陶しく邪魔な響きを持つものでしかなかった。友人曰く「女の子みたいな顔」は、円満な学園生活を台無しにするだけのお荷物なのだ。
 ただ、ひとつ訂正するならば。
 ナマエ・ミョウジは女の子みたい(、、、、、、)ではなく正真正銘の女である。この世に生を受けたときには男にはないものがあって、男にはあるものがなかった。訳あってナイトレイブンカレッジに入学した彼女は本来の性別を隠しながら学園生活を送るかたわらで、性別転換薬の研究を進めている。現在服用している薬は身体にかかる負担と副作用が大きすぎると考え直したために始めた研究であったが、生来の知識に対する貪欲さも相俟って今や研究にのめり込み、将来の糧にするためにと論文を仕上げている最中だ。
 ナマエが魔法薬学などの理系科目に特化しているとはいっても、魔法薬学は知識と過程を要する学問だ。新入生の、偏った知識しか持っていないナマエにはまだまだ理解できない部分が多い。しかし協力者や助言を与えてくれる人間がいればいいという話でもなく、彼女は密かに事を進めなければならなかった。なぜなら、研究の進捗を記した記録書は誰かに見せられる代物ではなかったからだ。他の魔法薬ならばいざ知らず、研究対象は性別転換薬である。ナマエがそんな代物を作っているなどと学園関係者に知られれば好奇の目に晒されるのは明らかで、下世話な生徒たちに「女になりたがっている変態」と勘違いされて揶揄されるだろう。彼女が性別を偽っていると勘繰る者は端からいないだろうからそちらは安心できるが、あらぬ勘違いをされて社会的に殺されるのは真っ平だった。

「酷い顔色だけれど、大丈夫かい?」
「大丈夫、ありがと」

 心配して声をかけてきたポムフィオーレ生に力なく返事をすると「つらくなったらいつでも言っておくれ」と優しい言葉が返ってきて、ナマエはなんだか泣きたくなった。
 様々な事情が複雑に絡み合い、単独で研究を続けているナマエは常に寝不足で、眠い目をいつも擦っている。手厳しいルームメイトのおかげで夜の調べ物はなかなか進まないものの、彼女よりも遥かに優秀で勘が鋭い彼はベッドに潜り込んだあとも本を読んでいることに気づいているだろう。今、声をかけてくれた相手が心優しいこの同級生ではなくあの男であったなら「自業自得だ、駄犬」と叱責されるに違いない。
 ヤンチャでまだまだ荒削りな性格ながら、魔法薬学や錬金術、その他の理系科目において卓越した才能を持ったルームメイト――デイヴィス・クルーウェルは一学年上の上級生だ。部屋の数の都合で上級生と下級生がルームメイト同士になるのは珍しいことではない。まあまあよくあることだ。ナマエも納得した上で初対面のクルーウェルに挨拶をしたし、クルーウェルも「よろしく」と彼女に握手を求めた。最初の数日間だけは、素っ気ない彼は無愛想ながらやさしい先輩に見えたのだ。それが自分の願望で思い込みに過ぎないと気づいたのは、十月に入って風が冷たくなり始めた頃だっただろうか。

「お前が問題を起こせば俺の責任になる。俺の手を煩わせるなよ」

 その実、クルーウェルは冷淡な男だった。厳しさは愛情の裏返しとも言われるが、彼にあってはそんなことはない。ナマエはこちらを見つめる双眸の鋭さと険しさを知っている。飽くなき美への追求と自己研鑽を怠らない奮励の精神は誰よりもポムフィオーレ生らしく、けれど厳格で理路整然とした性格は規律を重んじるハーツラビュル生をどことなく思わせた。

「それにしても、ナマエ君はあのクルーウェル先輩とルームメイトなんて羨ましいよ」

 同級生はナマエとともに寮に戻るつもりらしい。彼はきらびやかな金髪を揺らし、宝石のように輝く碧眼をきらめかせながらナマエの隣に立った。

「……そうかな」
「そうとも! なんて言ったって、二年生の学年トップだからね。少し不良っぽいし、文系科目は少し苦手なようだけど」

 恍惚とした表情で語らう同級生の言葉にナマエの口元が引きつる。クルーウェルの〈苦手(、、)〉と世間一般の人間が考える〈苦手〉を同一視してはいけない。定理や法則を理解できるほどの頭がない文系脳でも暗記さえすれば試験では満点を狙える、と平然と宣うような根っからの理系男子である彼は、文系科目でも常に平均以上の成績を収めているのだ。
 暗記が主となる文系科目である魔法史を「将来の役には立たないお荷物教科」と考え、やる気を出さない理系の生徒は多い。理系特化型のナマエもその口だ。
 けれどもすべての教科には学ぶ意義があり、生徒に学ばせる理由がある。特に、世界各地の国から優秀な魔法士の卵を集めているナイトレイブンカレッジにおいて魔法史は重要な役割を果たしていると言えるだろう。たとえば異国出身の人間と会話するとき、彼の国がどんな歴史を辿り、どんな文化や常識が根付いているのかを事前に知っているか否かで、その人間に対する理解度はまるっきり変わる。理解と受容なくして集団生活は不可能だ。異文化と多国籍が入り乱れるナイトレイブンカレッジだからこそ、そういった学問が重宝され、授業の質そのものに重きが置かれている。まあ、相互理解を深めるためと銘打ってみても、プライドが高く尽く協調性のない生徒たちには不要なものなのかもしれないが――教養を身につけるために魔法史を学んでいる生徒が一定数いるのもまた事実だ。
 ただ、クルーウェルがどの教科でも手を抜かないのには他の理由がある。たとえ好きではない科目であっても平均以上を取れる頭脳があるから、というわけではない。彼はまさに、無知を恥じる人間だった。これに関しては、ナイトレイブンカレッジきっての問題児であるのに成績だけは折り紙つきの優等生であるから教師陣も歯噛みしてばかりである。
 クルーウェルは「無知は恥だ」と口にしては文系科目を勉強しようとしないナマエを叱り、「俺のルームメイトであるお前が怠けるなど許さない」と付きっきりで試験勉強に付き合うような先輩だった。この部分だけを見れば後輩思いのよき先輩だ。ナマエも口に出すことはなかったが「いい先輩だなあ」と思っていた。けれど、クルーウェルはある日突然、彼女と距離を置き始めた。何が逆鱗に触れてしまったのかは今でもわからない。彼は――クルーウェルはナマエが思うよりも冷淡だった。一切境界線を踏み込ませない、そちら側に入り込ませない明確な線引きは彼を慕っていたナマエを少なからず傷つけ、そして臆病にさせている。



「俺がなんと言ったか言ってみろ、駄犬」
「……『俺の手を煩わせるな』」
「よく覚えているじゃないか」
 ならばなぜこんなことをした、とクルーウェルの目がナマエを睨みつける。時の独裁者のような理知的で支配的な双眸は冷たい怒りを忍ばせ、温度のないナイフのように鋭く彼女を追い詰めていた。ようやく慣れ始めた寮の自室が途端に居心地の悪い空間のように感じられ、手のひらや背中にいやな汗が滲む。舌打ちしたクルーウェルは腕を組み直し、肩を縮こまらせているナマエを見下ろした。

「お前のような阿呆は、俺が割を食うとは考えなかったわけか」
「……すみませんでした」

 薬のおかげで痛みも引いているのに、包帯がぐるぐると巻かれた腕を見下ろしたナマエは泣きたくなった。例の魔法薬制作に熱が入りすぎて極度の寝不足状態だった彼女は、よりにもよって上級生との合同授業で盛大な失敗をしてしまったのである。錬金術を担当する教師は「大惨事にならなかっただけでも御の字だ」と朗らかに笑っていたが、運が悪いことにナマエとバディを組んでいたのはクルーウェル本人だった。盛大にやらかす瞬間を、目の前でしっかりと見ていた彼が怒らないはずがない。
 もちろん、全面的に自分が悪かったという自覚はナマエにもある。クルーウェルの怒りも尤もで、一歩間違えれば彼にまで怪我をさせていたのだ。万が一怪我をさせていたらと思うと、波打ち際の白波のように罪悪感と後悔が一気に押し寄せ、あまりの申し訳なさにナマエは言葉を失う。クルーウェルは自他ともに認める悪ガキではあれど、実験中に悪さをしたり危険なことはしない。念入りに「気を抜くな」と言っていたのだ。その忠告にちゃんと耳を傾けていなかったナマエは注意を半ば聞き流し、寝不足で鈍った判断力のまま間違った選択をした。こんな怪我は自業自得以外の何ものでもない。だからこそ何を言っても、どれだけ謝っても、言葉だけでは誠実に尽くすことができないと思った。それでも謝らなければクルーウェルの気分を更に害してしまうだろうと考え直し、ナマエは重い口を開く。

「あの」
「謝罪は要らん。これからどうするかを聞かせろ。まあ、夜更かしをやめる以外に道はないと思うが」

 今さらやめるだなんて。
 思わず立ち上がったナマエをクルーウェルが見上げる。いやに挑発的な、年齢にそぐわないシニカルな表情だった。問題児には見えない落ち着いた素振りは気取った青年のようにも見えるのに、つり目がちな両目はどことなく生意気そうでどこまでも勝気だった。時おり、この人は子どもっぽくなる。怒られながら、ナマエは思った。

「俺にはやらなければならないことが――」
「他人に迷惑をかけてまでか」

 たったの一言で撃沈され、気分がどんよりと沈み込む。なんで、どうして、私はこの学園にいるんだろう。そんなことをクルーウェルの前で見当違いにも考えてしまう。失敗して上手くいかない度にナマエは誰かのせいにして逃げたくなって、こんなはずじゃないと泣きたくなった。けれども今、彼女はナイトレイブンカレッジにいる。昔のように自分のことを「私」と呼んでもナマエの性別を疑う者はいないだろう。大多数の男子生徒たちのように〈俺〉や〈僕〉ではなくても、個性豊かな生徒が集うこの学園ではすんなりと馴染むだろう。あえて〈俺〉という一人称を自ら選んだのは、ナマエなりの意思表示でしかなかった。
 男子校という未知の世界に飛び込む覚悟と、性別を隠しおおしてみせるという決意とともに鏡に映ったナマエは本来の性別のときよりも少し骨張っていて、低い声が出る喉には喉仏があって、胸のふくらみはなくなっていた。ナマエは変わり果てた自分が映る鏡をなぞりながら静かに笑った。男としての姿も、抱えずにはいられない苦しさも、すべては天から与えられた贈り物なのだ――そう気づいて、笑ってしまった。
 不味くて、身体に異常を来すような副作用のある薬を飲んでまでナイトレイブンカレッジに入学したいと思ったことはない。こんなはずじゃなかった。何度でも、何度だってそう思う。それでも、学業以外の才能も身体的な力もないナマエには果たさなければならないことがある。この学園に来たからには、唯一自慢できる優れた頭脳を以てして本懐を遂げるまでは諦められない。目の前の怖い先輩を恐れている暇はないのだ。
 クルーウェルのシルバーグレーの瞳を見つめ返すと、存外に真摯な瞳が彼女を射抜いた。凍りついたような色をしている瞳はやはり恐ろしい。

「あなたに恥をかかせたことは謝ります」

 頭を下げて謝ると、嘲笑うような鼻を鳴らす笑い声が聞こえた。話を聞いてくれないわけではないらしい。椅子の背もたれに背中を預け、嫌味ったらしいくらいに長い足を組んだクルーウェルは肘置きに腕を置き、もう片方の手で頬杖をついた。

「でも、なんとしてでもやらなければならないことがあります。だからと言って学業を疎かにし、危ないことをしていいわけじゃない。先輩にご迷惑をおかけしたことは本当に申し訳ないと思っています。すみませんでした」
「ほう」
「次は上手くやります。あなたから叱られないくらいに」
「随分大きく出たな。あんな簡単な授業で失敗しておきながら……」
「わかってます」

 クルーウェルからの信頼は一度どころか、何度も落ちている。そもそも最初からそんなものはなかっただろう。シルバーグレーの双眸はより険しく、苛烈なまでの厳しさを湛えている。おそらく、ナマエを試しているのだ。勝った負けたの勝負ではないとわかっていながらも、今この瞬間、クルーウェルの瞳から目を逸らせば虚勢を張った臆病な自分は呆気なく崩れ落ちると思った。半ば睨みつけるような気持ちで彼を見つめ続けるナマエは自分自身を奮い立たせ、拳を握る。

「お前は――」
 不意に、クルーウェルがぽつりと呟いた。
「どうしてここに来た」

 クルーウェルはやはり抜き身のナイフのような鋭さで、しかし意味がわからないと言いたげな困惑気味の表情で言い募る。彼は在り来りな入学理由を聞いているわけではないだろう。有名な名門校だから来ました、なんて嘘が聡い彼に通じるはずもない。
 水を打ったような静寂のせいで耳が痛く感じた。静かすぎて、その静けさまでもが煩わしい。ナマエは意味もなく絨毯を見下ろすと、ゴミはおろか塵ひとつ落ちていない繊細な模様を見つめながらほとんど無意識に口を開いた。

「言えません。誰にも、絶対に」

 誰かが息を呑んだ。この部屋にはナマエとクルーウェルしかいないのだから該当する人物は一人しかいない。クルーウェルが驚いたような表情をしていた。

「冗談です。研究論文でも出してお金貰いたいだけですよ。信じてください」

 にこりと愛想良く笑ったナマエの目はあまりに暗く、日陰で永遠を生きる魔物に似た寂しさが暗々と揺れている。きっと、クルーウェルも冗談ではないと勘づいているだろう。ナマエを追求しようとしなかったのはこれ以上問い詰めても意味がないと判断したか、他人からしてみればくだらなくて苦しい言い訳に僅かでも興味が出たからかもしれない。

「ハハッ!! その論文とやらで成功する確率は?」
「百パーセントです。俺が誰よりも先に論文を出せば、の話ですが」

 クルーウェルの細い眉が訝しげに持ち上がり、次いで悪どい笑みが口元に浮かんだ。その笑みが何を意味するのかはナマエにも図りかねる。

「確実に起きるならばそれはもう確率じゃないだろ」
「なら、九割九分とでも言えば?」
「大した自信だな。いや、無謀なだけか」

 無謀。確かにそうなのかもしれない。けれど、ナマエはどんなに無謀でもよかった。すべてをやり遂げるためならばクルーウェルに笑われても、厭われても構わない。

「俺は諦めたくありません」
 ナマエは絶対に諦めない。厳しい先輩に扱かれようと、上級生たちにカツアゲをされようと、志半ばで諦めるわけにはいかなかった。


<< >>

INDEX
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -