公国騎士の参上(24)
ずっと同じ姿勢で寝台に座っていたのだろう。皺の寄ったドレスをぱたぱた叩いて伸ばしながら出てきた彼女は、目の前に侍女たちが並んで待っていたことに気づいて少しだけ動揺した。
「いただくわ、お昼……」
毛布を被っていたせいで、髪もちょんちょんと跳ねている。ユニカは気がついていないようだが、侍女たちは何となく指摘しづらかった。
様子がおかしい。その一言ゆえに。
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