だけど、終わることを考えたらこんなに苦しい。
自分の望みに逆らっているから苦しいのだ、ということからは必死で目を背ける。
枕に顔を埋めて溜め息をついていると、誰かが寝室へ入ってくる気配を感じた。侍女が出入りしているだけなら無視しようかと思ったが――
「ユニカ様、お休みでいらっしゃいますか?」
ディディエンがか細い声で呼びかけてきたので、ユニカはもそもそと首を動かし、枕元に立っていたエリュゼそっくりな侍女を見上げる。
「どうしたの」
なんだか困っている様子だ。何か、ユニカに対処を求めねばならないことでもあっただろうか。
そう思って仕方なしに身体を起こすと、それだけでふらついたユニカをディディエンは支えてくれる。そして、申し訳なさそうに言った。
「メヴィア公爵家のジゼラ様がお見えになりました」
どういたしましょうか、と続ける侍女。ユニカは重ねた枕に身体を預け、ただぽかんと口を開けた。
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