「──…はっ?」


優しいね。そう言えば一気に顔を赤くしてしまった白竜。本当、フィールドにいる時はあんなに強引なプレーするくせにね。


『照れてる?』

「なっ、照れてなど…、」


そんなこんなで氷嚢の氷も溶け始めてしまった頃、ガラリとドアが開く音が聞こえた。


「あれ?白竜もいたんだ」


それから黒い服に身を包んだ少年がコツコツと靴を鳴らして私達のいるベッドの方へ近付いてくる。


「何だシュウ、お前また勝手に…」


彼、シュウはこの学園の生徒ではないにも関わらずここの生徒同様授業に参加したり学園内を自由に歩き回ったりしている異例児だ。私にはそこら辺のシステムがどうなっているのか分からないけどその特徴的な横髪がひょこひょこと動く度に私は恐怖にも似た焦りが込み上げてくる。白竜は知らないだろうけど私はシュウが苦手なのだ。自由奔放な言動でいつも私を困らせるから。


「なまえに会いに来たんだ」

『え?わ、ちょっ、』

「おおおおいシュウ何を…っ!」


それからお構いなしに私に抱き付いてきたシュウ。私の体はそのままベッドへ沈み、視界にはシュウの愛嬌を振りまくような笑顔と白竜の驚いた顔。更にはおでこに当てられた柔らかい何かの感触に私の思考はショート寸前。


「な……ななな何をして…、して…」
「何って、キ…」
「言うなああああ!」
「えー?」



『……』



よし…………逃げよう。





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