「おいなまえ遅刻だぞー!」


あれから急いで着替えてグラウンドへ向かった私。皆が既に試合の準備をしている中風丸先生がそんな事を言うもんだから私は授業変更を今日の朝になって知らされた事を説明した。その時に私がまだ学園に来ていなかった事も。そうすれば風丸先生は溜め息をついた後「しょうがないな」なんて言いながら微笑んでくれた。


「円堂にはもっと教師としての責任を持って欲しいもんだ……ほら、なまえも準備運動してチーム入れよ?」

『あ、はい』


風丸先生はそのまま他の生徒に呼ばれ行ってしまった……でも、やっぱり雑誌撮影なんかに呼ばれるだけあって格好いいと思う。プロリーグで活躍してる上にこんなに美形なのだから皆の憧れの的だ。ほら、今だって皆俺が俺がと先生にシュートを見てもらうのに必死だ。


『すごいなぁ風丸先生……』


そんな光景を見ながら私は予め組まれたであろうチームの元へ向かった。だけどシュート練習をしている最中に移動したのがいけなかったのだろうか、


「───あぶない!!」

「え…、っ!」


その声に振り返って見ればこの学校に入学してから嫌という程に見ているサッカーボールが視界に大きく映り込んできた。それから強い衝撃に堪えきれずぐらりと視界が揺れる。

そんな中急いで私に駆け寄ってくる人影。意識が朦朧としていてよく見えないけど、あれは……






青紫の髪の…

白い長髪の…




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