私の名前はみょうじなまえ。雷門学園の一年生。とりわけ頭がいいわけでもないしサッカーが出来るってわけでもないけどこの学園に入学しちゃいました。もちろん学園の生徒の殆どはサッカー経験のある子で、私みたいにサッカー未経験の生徒は全校生徒合わせても片手で数えられる位だ。サッカー大好きな私の親だからどうにかしてこの学校に入れさせたかったんだろう。



「遅刻だー!」
「は、早いよ天馬ー」


遅刻ギリギリになってやっと校門に着いた私の後ろから何やら騒がしい声。その声に振り向けば見慣れた二人組が私目掛けて走ってきた。


『天馬!信助!』

「おはようなまえ!」

「そんなにのんびり歩いてたら遅刻しちゃうよ?」


家から走って来たのか軽く息を切らしている二人の慌ただしさに朝から圧迫されながらもまだ大丈夫だと言うと、二人は顔を見合わせてから安心したようにため息をついて小走りをやめた。それから天馬が呼吸を整えながら一言。


「なまえっていつもこの時間に来てるの?」


それに続いて信助もこちらを見てくる。


「そういえば朝はいつも見掛けないよね」

『私は……うん、大体この時間かな』


あんまり朝早く起きるのも得意じゃないし。そう付け加えればまた顔を見合わせて笑い出す。納得とでも言いたいのだろうか、失礼な。


『急がないと遅刻しちゃうよ!』


さっきの信助の言葉をそっくりそのまま返して私は下駄箱へと走り出した。もちろん二人も私について走り出す。

朝のチャイムまであと三分。



こうして私の一日が始まった。






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