エルドラドのメンバーは見ての通り纏まりがない。特にキャプテン同士なんてもうどうやって組織として纏まって成り立っていたのかを疑いたくなるくらいにいつ見ても言い争いをしている。そこで私は皆が仲良くなれるよう何か出来ないかと考えた末に今日のこの時を迎えたのだ。


『皆!ハッピーバレンタイン!』


いつも通り皆が各々時間を潰しているであろうミーティングルームにチョコの入ったタッパーを持って颯爽登場した私。そのドアが開くなり皆の視線が集中して突き刺さった。


「やぁ子猫ちゃん」

「ガンマってば気持ち悪いんですけどぉ」

「なに?やだなぁ、嫉妬かい?」

「そんなわけないじゃないですかこのナルシストが」

「静かにしろお前たち」

「アルファニ同意スル」

『……』


突き刺さったかと思ったらまたすぐに違う方向へと拡散する。ガンマの発言はさておき皆相変わらず、賑やかだなぁ……あ、そうだ私は皆にチョコレートを食べてもらうためにここへ来たのだ。


『皆、これ、食べて!』


そう言ってタッパーを差し出せば皆の視線が再び私の方へ集中する。細かく言うとタッパーに、だけど。しげしげとそれを眺めて疑るような顔をする皆。その中でガンマだけは素直に喜んでいた。子猫ちゃんがなんとかかんとかってまた意味の分からない事を言いながらタッパーに入っているトリュフを一粒取り出した。


「僕はもらうとするよ」

「名前さんの私達にチョコレートだなんて…っていうかぴったり人数分って…毒でも入ってるんじゃないですかぁ?」

『失礼な!そんな訳ないでしょ!』


さすがベータ。鋭いというか安定の疑りようというか、毒なんて入ってないけどこのトリュフは一粒だけわさび入りなのだ。所謂ロシアンチョコレート?そんな所。私は怪しいと眉を潜めるベータに大丈夫だと言い張って無理矢理手に取らせた。


「そんなに警戒しなくても普通に美味しかったけどな、このトリュフ」

「ガンマの味覚なんてあてに……あ、美味しい」

『本当?よかった』


ガンマとベータのふたりは何とか食べてくれたけど……どうやらアタリは引いてないらしい。アルファとレイ・ルク……特にレイ・ルクなんてアンドロイドなわけだしチョコレートとか食べるのかな?まずはそんな疑問からだったけどタッパーを差し出してみると前の2人の反応を見て体に害は無いもの見なしたらしい、食べることを決意するようにお互い顔を見合わせてからトリュフを口に放り込んだ。

早く誰かアタリ、当たれ。そうすればわさび入りチョコレートを食べた時のリアクションで場の空気が和むはず。そしたら、皆もっと仲良くなれるはず…!そう、私の作戦は成功するのだ!早く、早く。


「認識完了…オイシイ」


あ、レイ・ルクはハズレだったみたいだ。という事は………


『アルファ……どう?』


もぐもぐと口を動かしながら黙り込んでいるアルファに問いかけてみればアルファは必死にチョコレートを飲み込んだ後でようやく口を開いた。











「……変な味だ」












どうやらエルドラド仲良し計画は失敗に終わったようです。
(反応薄っ!!)
(…訂正、変ナ味ガスル、ヨウダ)
(やだぁ、やっぱり何か入れてたんじゃないですか!)
(そ…そうか!これは人気者の面白ろリアクションを試すというちまたで有名なドッキリとかいうやつか!くそ、どうして僕がハズレを当てなかったんだ…っ)






-----------------------
ある方のお話をネタに。未来組書き慣れてなあし…わあああ…カオス\(^q^)/


<<







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -