「グラン…っ」


いつもの冷酷の色を帯びたウルビダの瞳が俺を睨む。ただ、いつもと違うのは雪のように白い肌が微かに上気して色付いているということ。


「ん…っ、グラン…」

「……くっ」


熱っぽい吐息に混じって聞こえる俺の名前。根元まで埋め込まれて彼女の肉壁に擦られている俺の自身は彼女の体内もとい膣内で腫れ上がっている。


「お前はいいな…父さんに必要とされ…て…っ」

「ウル、ビダ……」


独りぼっちだった自分を我が子のように愛してくれた父さん。それは俺たちにとってかけがえのない、失ってはいけない存在。そんな父さんの一番近くに居る存在が、俺。

最初は彼女に同情していた。何をするにも父さんの傍には俺がいる。何を決めるにも俺が優先的に一番だった。皆の父さんのはずなのに何故か父さんは俺だけに優しいのだと、大切にされる自分の価値と他の皆の価値の違いに優越感を覚え、さらには俺の事を妬む奴らへの同情までも生まれていた。だから俺は彼女を拒まなかった。

───でも、父さんがある写真を眺めていた時、父さんが俺を必要としている理由が分かった時、そんな感情は一瞬にして恐怖に変わった。


「……知ってるだろ、っ…俺は、」

「ああ…っ、お前は…グランだ」


父さんが俺に重ねて見ているヒロトの面影を壊さないように、汚さないように……なんて俺には到底重すぎるプレッシャーなんだ。ずっと父さんの一番である為に何をすればいいのか、必死で期待に応えようとしている日々だって、俺がこうやって関係のないウルビダと行為をしてしまっている、言ってしまえば原因の一つだったんだ。


「父さんが求めるヒロトには…っ、なれ、ない…っん」

「ぁ…っ、く」

「でも、私は…っ、ぁ…」


次第に高まっていく射精感に目を細めれば、何かを言い掛けていたウルビダも絶頂が近いのか、中に出してと言わんばかりに俺の自身を締め付けてくる。そして、


「グラ…ン…───っ」

「…───っ!」


お互いに絶頂を迎えた。繋がっていた所からは白濁が溢れて、厭らしくて、虚しい。やがて呼吸を整えながらいつも通り冷酷なウルビダの視線が俺を貫くように突き刺さる。


「それでも私は……ヒロト、お前が好きだ」


俺は真っ直ぐ見つめられた瞳から逃げるようにして目を瞑った。


「………そう」


別に彼女の事はどうとも思ってない。事実、最初は同情で受け入れただけであるし、特にこれと言って特別な感情を抱いている訳ではない。




ただ、誰かに必要とされているのが心地良いと感じたから。




ただ、











彼女が俺を好きだと言ったから。
















(都合良く彼女が居た)
(ただそれだけの事)





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以前更新したベーアルみたいなウルグラ……読んでくださりありがとうございます!グランはやっぱり攻めのイメージがあるのであまりウルグラっぽくないかもです。紅蓮様、リクエストありがとうございました(^^)


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