口うるさくて、インテリで、すぐ怒る。
でもたまにやさしいし、勉強教えてくれるし、料理もできる。

最初はすごい面倒くさい人を好きになったもんだと思った。…だって、先生だったし。

出会いなんて笑えるくらい呆気なかったなあ。目が合ってビビッて電流が走ったわけでもなんでもないもん。
あたしが中学二年生になったとき、学校に新任の先生がやって来た。それがリーバーだったんだけど…。体育館で校長先生から紹介された後、短い挨拶をするその先生の最初の印象なんて、あー頭ツンツンだーってくらいで。

ちょっと驚いたのは、その後のクラスや担任の発表のとき。あたしのクラスの担任がその人だったこと。
発表の後、ちゃんとさっきの校長の紹介聞いとくべきだったかなあなんて思ったけど、でも本当にそれくらいのことしか思わなかったのに。

「…ありえないよねー」

そんなもんだったのだ、出会いなんて。
なのに、そのツンツン頭で口うるさい、あたしの天敵だった数学教師が、今目の前でオムライス作ってんだから。

「なんか言ったか?」
「なんにもー。お腹へったなあってだけ。はやく作ってリーバー」
「るっさい!あと少しおとなしく待ってろ!」
「ははっ、わかったー」

なに笑ってんだ!って怒りながらタマゴ焼いてる後ろ姿を見る。
本当すごいよなぁ。
あの時は、あたしがこの人を好きになるなんてことも、こうして一緒にお昼ご飯食べるなんてことも、夢にも思わなかったんだから。

ああ、
奇跡って
こういう
ことか






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