土曜日が一週間で1番すきだなあ。
寝坊できるし明日は日曜でまた休みだし。
でも、

「(まだ10時、か…)」

平日はあたしをうるさく起こしてくるリーバーも土曜は一言声をかけるだけ。
だからあたしが起きるのはいつもリーバーが部活の顧問として学校に行った後。それがなんかなあ…。

ポンと机の上に置かれたあたしの分のご飯。ちくしょうまた野菜多い…!部屋が静かすぎてテレビをつけてからご飯を食べ始める。やっぱりおいしい。野菜多いけど。

…今日の部活たしか午前だけだよなあ。

ならリーバーが家に帰ってくるのは12時くらい。

テレビを見てちょっとだけ思いついてリーバーが作っておいてくれた朝ご飯を急いで食べ終える。お皿を洗って冷蔵庫を開ける。よし、ちゃんとある!さっすがリーバー。

携帯を探してリナリーに電話した後、携帯の代わりに包丁を握った。






よっし準備万端だぜとか思ったらタイミングよくガチャッとドアが開く音がした。

「ただい、ま…?」
「おかえり、お疲れ様ー」

家に入ってリーバーはすぐに異変に気付いたらしい。すこし早足で部屋に入ると机の上を見てただただびっくりって顔。

「お、おいこれ実紅が作ったのか!?」
「うん、リナリーに作り方聞いたんだー」
「なんかいい匂いするなあと思ったら」
「リーバーが好きなもんで作れそうなの、ピラフくらいでさあ」

それでも何回も失敗しかけたんだけど、とそう言ったらよくできましたと頭をポンポンされた。いつもは子供扱いされてるみたいで嫌いなそれもなんか今日はただ嬉しい、なんて。

「…あ、リーバー。帰ってきたら手洗いうがい、でしょ?」

いつも言われる一言を笑って返せばリーバーが苦笑して洗面所に向かう。

先に机に座って待つ。ちゃんと手洗いうがいを済ませたリーバーが向かいに座った。食っていいかと聞かれて首を縦に振りながら少しだけ緊張する。い、一応味見したけど…大丈夫、かな。

「いただきます」
「………どう、ですか」

一口食べた後のリーバに聞けば笑顔が返ってきた。

「美味いに決まってんだろ?」
「よ、よかった…!」
「…ありがとな、実紅」
「っこちらこそ、いつもありがとうございます」


たまには素直になってみる曜日


「…おい、実紅」
「ん?」
「なんでおまえはサラダ無いんだ?」
「え!いやその…」
「オレのサラダ明らかに多いし」
「あ、いやリーバーの体を気遣って!」
「ごたごた言わずにおまえも野菜食え!」



title:おやすみパンチ



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