「あぶ、あぶ!」
「ん?どうかしたかい」
「あたしも、おしごと、いきたい!」
「…あー、おまえさんにゃまだ早い」
「だって、かむいくんは、いってるよ!」
「…ありゃあ別モンさ」
「なんでー!なんでー!」
「あーあー、うるせェよ」
「うああ!おろしてよ!あぶのばかたれ!」
「…なんだってそんなに任務に行きてェんだ」
「だって、あぶがいないの、つまんないもん!」
「!…お、おお……その、あれだ、すぐ帰ってくるからよ」
「やだああ!あぶはあたしのだあああ」
「ちょ…っ、おい実紅!離せっ」
「やだ!」
「(任務行けねえ!)…なあ、離してくれよ」
「……じゃあねー、やくそくしてくれる?」
「なにをだ?」
「あたしが、おっきくなったら、あぶのおよめさんにする、って」
「はっ、はあ!?んなもん…」
「じゃなきゃやだ!」
「っ…わ、わーった!嫁にでもなんでも、もらってやるから離してくれ!」
「ほんとに!?わーい!かむいくんにいってくるねー!」
「やめろォオオオ!」




「阿伏兎ー!昔した約束覚えてる?」
「なっ、なんのハナシだ!」
「あたしがおっきくなったら…」
「お、おいおいおい!違うぞ!あん時はオレだって必死で…!」
「新しい傘買ってくれるって言ったよね!」
「…………」
「…………」
「…………」
「…え、どうしたの阿伏兎」
「……おまえさんにゃ、まだはやい」
「ん…?なんかそれ前にも聞いたような…」
「き、気のせいだろ」
「いや気のせいじゃ……あ!思い出したあん時だ!ほらあたしが…って逃げないで阿伏兎!」
「あ、新しい傘なら買ってやる!」
「えー、そんなにあたしがお嫁さんになるの嫌ー?」
「い、嫌とかそういう問題じゃ」
「ならいいよね!わーい、傘も阿伏兎ももらえる!」
「お、おい!どこ連れてくつもりだ!」
「え?もちろん神威くんに報告に…」
「やめろォオオ!」



むかし
いま
これから


「(勝てる気がしねェ!)」



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