あー疲れた!
任務から帰ってきたあたしにはコムイに報告書を出すより先にする日課というか、習慣がある。それは、とある人にただいまって言って、おかえりって返してもらうこと。

こんな時に限って科学班のラボにいないんだから困る。ぐるぐるぐるぐる黒の教団内部を走り回っているとそこら中に白衣の後ろ姿。
でも違う違う違う!
あたしが探してるの、は…!

「いた!リーバーッ」

目標はおそらく80メートル先!
全速力で走りながら名前を叫べばツンツン頭がこちらを向いた。

「実紅?」
「そう!リーバーが大好きな実紅が帰ってきたんだよ!ただいまーッ」
「ああ、おかえり」
「ああもう…!つれないなあ」

びゅん、と抱きつけば数秒としないうちに剥がされた。
まあそんなツンデレなリーバーも好きだよ、あたしは!はやくデレ来い!

「そんで…怪我とかないか?」
「うん、ちょっとすりむいたけど」
「はあ!?バカ!はやく婦長んとこ行け!」
「リーバーったらそんなに心配してくれて…!これは愛だよね!」
「うるさい!ごたごた言うな…!」

Sっ気チラリなリーバーは口でわからなければすぐ手が出る。
ぐい、と衿を掴まれて、あ、ひきずられるなあと思ったら予想が的中した。

「リーバー、心配してくれてるのは分かるんだけどね。あたし消毒嫌いなんだ…!」
「でもやってもらえ」
「いやいや!婦長もリーバーに負けないくらいSだから本当痛いんだよ!」
「つべこべ言わずにやってもらえ。な?」
「うわ、笑顔が逆に怖い」

にっこり笑ったリーバーは周りに花飛んでキラキラしてるんだけど怖い怖い。
でも本当消毒はひりひりするし…!
…あ、いいこと思いついた。

「ね、ねえ!リーバー!」
「ん?おとなしく行く気になったか」
「それなんだけどさ、リーバーが素直にあたしへの愛を語ってくれたら行こうかな!」
「な、なんでそうなった…!?」
「いやあ、たまにはデレてもらわないと。したら頑張るし」
「わけがわからん…!」

まあここで素直にデレるとは思ってないけど、あたしだって引かない。
引っ張られるのに抵抗して、柱にしがみついて駄々をこねたら数十秒後、背後からため息。


お前は腹立つな大好きだよ

title:おやすみパンチ


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