神威くんにパシられた。阿伏兎が焼きそばパン担当。あたしは缶コーヒー担当。

だいたい神威くんは焼きそばパンが好きなわけじゃないのだ。ただ、焼きそばパンが購買で1番人気で。それを買うために阿伏兎が苦労するのが面白いらしい。すごく悪趣味だと思うけれどあたしも阿伏兎が困った顔は面白いと思う。ごめんね阿伏兎。

「参った」
「え…どうしたの」
「売切れだ、焼きそばパン」


自販機で缶コーヒーを買ったあたしに、阿伏兎が財布片手にこの世の終わりみたいな顔をして立ち塞がる。
夜兎高の中でも強いっていう不良で眼だけで人を殺せそうなやつが、しゅんって。

「いや、でもなにがなんでも焼きそばパン持ってかないと殺されるよね」
「………よし…!」
「え、なに?死の覚悟?そんなの一人でやってねお願いだから」
「行くぞ、コンビニ」
「ええッ、あたしも!?うーわ、めんどくさー」
「…な、なんだよ嫌なら別に…」
「ぷっ…!嫌じゃないよ阿伏兎。あ、でも紅茶とプリンおごってね」
「……けっ、しかたねえな」


不良くん青春!



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