「もうじきお前の誕生日やってことに気づいたのはそう、あれは確か一月くらい前のことやった。1年のときから毎年謙也の誕生日にはプレゼントやっとるから今年でもう三回目やん?普通やとつまらん思て今年はインパクトのあるもんにしたろっていろいろ考えてみたんや。せやけどいざ何にするか具体的に考えてみてもなんも浮かばへんくてな。お前の誕生日プレゼント買うために何べんも何べんも街に出向いた。その回数はなんと10回以上や。愛感じるやろ?そんでも何回行ってみたかてええもんが見つからへんの。俺は心の底から困っとった。そんなときやった。普通じゃ目につかへんような奥まった場所にな、なんや普通やない匂いのする服屋があってん。俺は自然と、誘われるようにそこに入った、その瞬間やった。店頭に飾られとったその服を見てな、こう、ビビビッ!と俺のインスピレーションが働いた。目はその服に釘付けになった。ああこれはイケる。そう確信してん。あ、その店には他にもいろいろあったんやで?ナースに婦人警官とか。せやけどそのほどよい裾の長さとか猫耳とには他とは比べもんにならへんくらいのエクスタシーを感じたんや。そう
いうわけで、俺はすぐにその猫耳メイドの服をレジに持っていって…」

「買ったんや?」

「買いました」

「ほんで、今日俺にプレゼントしてくれたんや」

「しました」

「……なあ、白石」

「うん?」

「他に言いたいことは?」

「あっ、できたらそれ着て『もうご主人様ったら、おいたが過ぎるにゃんっ』とか、」

「あ"?」

「すみませんふざけすぎましたもうしません」



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企画用に書いたもの。謙也くんおめでとうございましたそしてわたしがすみませんでした。



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