知覚過敏症
ソファーで雑誌を読んでいると、ペタペタと言う音が聞こえる。
克哉が風呂から上がり、素足でリビングを歩く音。
少しだけ文字から視線を反らせば、隣にトサッと座る克哉が見えた。
「それは何だ?」
「え?これですか?」
バスタオルを腰に巻き、片手には見慣れないボトル。
そんな格好で、小首を傾げた克哉は、ラベルを私に見せて説明する。
「ボディーローションです。最近、乾燥肌で背中が痒くて」
そう言いながら肩の辺りを掻くので、克哉の背中を覗けばミミズ脹れまではいかないが、爪で引っ掻いた痕が存在していた。
昨日までは無かった痕に眉根を寄せていると、ローションが克哉の手に落とされる。
両手でミルク色を伸ばしペチャと肩に当て、思ったより冷たかったのかフルッと克哉が身体を震わせた。
そしてミルク色が肩から背中に垂れるのを、見兼ねた私が雑誌を置いて留めれば
「っっ!!」
先程とは比べものにならない位に、克哉の体が震えた。
「あ・・・」
「ククッ・・・。遊んでるのか?」
「ち、違います・・・」
克哉が全身を赤く染めるのを知りながら、留めたミルク色を指先で広げる。
背中の下から上に、そして克哉の爪痕へ。
「どうした?君の手は、止まってるようだが」
「・・・。わかってる癖に・・・」
前屈みで弱々しく睨まれるのを、喉を鳴らして応対しながら、克哉からボトルを受け取る。
「つ、ぅ・・・」
赤い背中に直接落とせば、小動物の様に身体を震わせ小さな声を漏らす。
ローションで滑る背中で手の平を遊ばせ、うなじに唇を落とした。
「ホラッ、顔を上げろ。じゃないと、続きが出来ないだろ?」
「オレ、お風呂入ったばかりなのに・・・」
「残念だが、誘ったのは君だ」
そんな事してませんと抗議しながら、克哉は真っ赤な顔を上げて唇を尖らす。
「その顔も、誘ってる様にしか見えない」
「じゃあ、どんな顔をすれば大丈夫なんですか?」
その尖った唇に口付けする前に、そうだなと答えた。
「そんな顔はないな」
「ふふっ、なら諦めます」
だから、その顔にも、私の五感は過敏に反応する。
こちらの小説は、5万打のキリ番を踏ませて頂いた時のリクエストとして
『世界の最果てで見る夢』の白夜様から頂きました!
白夜様、本当にありがとうございます!
はぅあ〜素敵すぎます(>_<)
こんなに可愛いノマちゃんと、カッコいい御堂さんのお話を書いて頂けるなんて、本当に夢のようです!
今回、微エロというリクエストで書いて頂きました(*^^*)
拝読中は、もうずっとドキドキしっぱなしで大変でした。
白夜様、今回はとても素敵な小説を、本当にありがとうございました!!!
ずっとずっと大切にさせて頂きます!!
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