生クリームって夢がある
「あ」

声を出した時には遅く
本当に『あっという間』という言葉が合う感じだった

気まぐれで意味もなくケーキを作ってた俺は、手を滑らせて生クリームを落としてしまう

「あー…掃除大変なんだよなー…」

俺は雑巾を取りにキッチンの出入り口から出ようとしたところでマルコと遭遇した

「フィディオ!!」

「……なに?」

ぐわしっ

勢いよく両肩を強く捕まれる

「お前、生クリーム落としてそれはなんだぁぁぁ」

「………?」

全く話が読めない
何故怒鳴られてるんだ

「普通はな、そこは頭から浴びてなちょっとしたファンサービスシーンをだな…」

マルコが何か説明してる
ああなるほど……

「仕方ないだろ?結構楽に避けられたんだから」

「お前の反射神経がいいのは知ってる、分かってるさ…でもな…っ」

はぁ…マルコはなんだ…
何故ここまで一生懸命になるんだか……

俺はくるりと振り返り生クリームが入ってるボウルを拾う
うん、落ちてない分だから大丈夫
そしてマルコの前に行く

「マルコ」

「あ?」

べちゃっ

「これでいいんだろ?」

俺はマルコの頭に中身をかける

「……へ?」

マルコもまさかの展開に目を丸くしてる

俺は、マルコの頬についた生クリームを舐めとる

「うん、甘い」

せっかく成功したのに勿体ないね

そういいながら掃除用具を取りに行く


生クリームって夢がある


(マルコの顔すっごく赤かったな)

悪戯出来て俺は上機嫌になった


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bkm
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