似てなくて
「うらやましい」

半田が突然言い出した

「いきなり何?」

うらやましいって何がだろう?と首を傾げる

「フィディオはさ、イタリア代表でサッカー上手くて強い」

半田は俺を指差しながらいう

「そんなことないけど…」

「いーや、ある!しかもカッコイイしモテるだろ?うらやましいよ」

うーん…
全然分からない
半田は俺のなにをみてそう思ったのか…

「俺は、半田のがうらやましい」

「え…うらやましいって…俺、中途半端なんだけど…」

「中途半端なんかじゃないよ。だってさ、ある程度のことなら人並み出来るってことだよ?すごいじゃん」

「そうか?」

「うん!……それに、俺は…」

ダメなんだ
パラメータで表すなら、バランスがとれなさすぎて、出来ないことは全く出来ない

「フィディオ?どうした」

「な、なんでもないよ!」

「?」

だから、半田がうらやましい
俺も、バランスがとれていれば…

『お前なんか…要らなかった』

……ちゃんと出来ていれば
嫌われずにすんだのかな?

「……半田になりたい」

「え…」

「……違いすぎて……辛いよ…っ」

「わわっ…フィディオ?!どうしたんだ…」

頭の中に父さんの言葉が過ぎったとたん
色々と思い出して涙が溢れた
半田が心配してるから
泣き止みたいけど
涙が止まらない

「フィディオー…?」


似てなくて


(君になりたいとか、子供すぎたね…)


prev next

bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -