「はあ…疲れた」
俺は鞄をソファーの上に置きテレビをつける
しばらく眺め、内容が頭に入ってこないのでテレビを消し、ソファーに座る
無音
「……昼ご飯と夕飯どうしよう」
立ち上がり、キッチンに向かう
冷蔵庫の中には……
「なにもない。買いに行くか…」
とりあえず制服から私服に着替え財布を持ち玄関に向かう
(ちゃんとエドガー帰ったよな?待ち伏せとかないよな…?)
俺は少し不安になり回りを見渡す
うん、大丈夫だ
鍵をかけ俺はスーパーに向かった
***
脳内会議の結果、今日の昼飯はカレー(レトルト)夕飯はハンバーグになった
「で、なんで君がいるの?」
家の前
何故かエドガーがドアの前で待っていた
大量の荷物を持って
「今日からここでお世話になろうかと」
「断る」
「そう言わず…」
「断る」
「どうしてもダメですか?」
「……ッ」
エドガーは俺の頬に手をあて顔を近づけてくる
俺は恥ずかしくなって顔を反らす
「フィディオ、私はあなたのためならなんでもしますよ。だから、そばにいさせて下さい。淋しい思いは絶対させません」
「! な、ん……」
「わかりやすい。先程家に入る時すごく寂しそうな表情でしたから」
「……」
寂しい?
そんなことはない
一人は楽で、誰とも関わらなければ皆傷つかないですむ
だから、俺は……ダイジョウブ
「エドガー、帰って」
「何故?」
「……俺に関わったら、傷つくよ。下手すれば死ぬ」
「私なら大丈夫ですよ」
「…似たようなこと言ってた。…だからそう思ってたのに、両親や友達は傷ついた…。だから、俺のことは放っておいて!!いまさら関わらないで……」
俺はエドガーを突き飛ばし家の鍵を開け中に入る
そしてドアを閉めようとしたらエドガーの手が挟まった
「え…エドガー!!?大丈夫?」
手を押さえうずくまったエドガーに近づく
なんかすごく強くドアを閉めたから相当痛かったはず
下手すれば骨に異常が
「と…とりあえず、冷や…」
パニックになりつつエドガーの手に触れようとしたら抱きしめられた
「心配してくれるとは…、フィディオは優しいですね」
「……やさしくない。骨折れてたりしたら…治療費とかの問題がっ」
「手は大丈夫ですよ。……多分」
「多分って、不安だな…」
「それに、関わった者を不幸にするというフィディオの能力的なものについては先生方から話を伺ってます」
「……じゃあ、なんで俺に?」
「分かったうえで大丈夫という自信があるから」
「……自信?」
「ええ。試してみませんか?一ヶ月。私が何事もなかったら再び告白させて下さい」
「……告白しても、俺の返事は変わらないけど?」
「それでも構いませんよ。だけど、必ずフィディオは私を好きになる」
なにを根拠にこんな自信が?
どうせ彼も皆と同じ
だけど、何故か俺は期待していた
もしかしたら……彼なら……と
「………じゃあ、一ヶ月…だけなら、いいよ」
「ありがとうございます」
「怪我したり死んでもしらないからね」
そんなこんなで俺はエドガーと一ヶ月暮らすことになった
***
「部屋は適当にここ使って」
「フィディオの部屋の正反対位置ですね」
「……俺、君信用できないから」
「……随分と直球で…」
「嫌なら帰っていいよ」
「いえ、私のためを思っての行動ってことはわかりますから」
「…っ、お、俺…部屋に戻るから台所とか風呂とかは自由に使って。あと、用があったら呼んで!!それじゃっ…」
全力で俺は部屋に行く
エドガーは、なんで俺なんかに構うのだろう
「……はぁ、」
これから面倒だな